【試行錯誤を学ぶ】「先生、答えを教えて」ではない「先生、やり方を教えて」の重要さ。

答えをすぐ聞きたがる生徒

 数学の問題を解いている時に、間違ったやり方をしていると

途中で「そこはこうやる」「もう一度ここからやってみて」というように

ヒントやアドバイスをして軌道修正しながら、問題を解いていかせることがあります。

全部解ききってから、すべて直してもいいのですが、間違う点が多い場合には、本人が混乱してしまうため、

途中のポイントでアドバイスをします。

 また実際に解いているその時に、正しいやり方を聞けばその印象が残りやすく

後で思い出しやすいということもあります。

 ところがここで問題なのは、

とにかく「早く答えを知りたい」という反応と行動をする生徒です。

間違っているのにそのまま進む

 そういう生徒の反応は、大体同じです。

「間違ったやり方」だということを示しても耳を傾けず

とにかく答えをそのまま出そうとします。

当然、やり方が途中までで間違っているのですから、答えも間違いに決まっているのですが

そのまま進んでしまうのです。

 そして「先生答えを教えてください」と言ってきたりします。

そしておもむろに、「どうしてそうなったのかな」という様子で

自分でまた直そうとしていきます。

 驚くことに、先程途中でした間違っているやり方へのアドバイスは1つも聞いていなかったりするので

もう一度最初から、同じ説明をすることになります。

 こういう話をすると

特別な事例のように感じる人が多いかもしれませんが

実は、割とあるパターンです。

 共通点はとにかく「早く答えを知りたい」

これに尽きると思います。

答えを知りたいという事自体はいいのですが

 答えにこだわり、早くそれを知りたいというのは

悪いことではありません。

でも、とにかく答えを早く出すという事にこだわり過ぎて

「正しい思考過程かどうか」とか

「論理の積み重ねがあっているかどうか」ということから気持ちが離れてしまうと

それは「いったい何をやっているのか」という事になります。

 勉強において、正しい解答をしっかり出すためには、正しい考え方を身に着けることが不可欠です。

そして正しい考え方を身に着けるためには、

落ち着いて、自分の間違いがどこにあるのかをしっかり「試行錯誤」して検討をしていく必要があります。

 さらに「試行錯誤」というのは、文字通り

「課題を解くのが困難である場合に、①繰り返して間違えて、②それはなぜかと理由を考え、③その上で何回もやり直しをして、④多くのミスを重ねていきながら、⑤次第に正しい結論に向かっていくということ」です。

 一足飛びに答えに跳んでしまえば、この「試行錯誤」は途中でストップです。

結局、もう一度やり直しをするのは実に無駄というしかありませんね。

「早く答えを知ること」に意識を持っていかれないようにして

今目の前にある困難な課題を1つずつ解決していくという、その過程にしっかり目を向けて

「考えることを重視」した学習をしていくべきだと思います。

 勉強は、考え方を一つずつ重ねていき、その結果正答にたどりつく。

そういうゲームのようなものですから

途中でラスボスを倒してしまっても、面白くはないのです。

「先生、答えを教えて」と言って聞いた答えなど、おそらくすぐ忘れてしまいます。

しかし

「先生、やり方を教えて」と聞いて、実際に自分の手で答えを出してみて

間違えたり、行ったり来たりしながら覚えたやり方は一生ものです。

 考えてもみてください。

「先生、魚が欲しい」と言って魚をもらっても、食べたら終わりです。

しかし

「先生、魚を釣る方法を教えて」と言ってやり方を聞き

何度も練習してそれを覚えれば

半永久的に自分で魚を獲ることができるのです。

勉強も全く同じだと思います。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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