入試は「基本問題を精密に解けるかどうか」で合否が決まる
非常に多くの受験生が、知らず知らずのうちに陥ってしまっている事の1つに
数学の入試は「難しい問題をいかに解けるかで合否が決まる」という誤解があります。
確かに、みんな基本問題も中程度の問題も完璧に出来ているはずだから
ハイレベルな所で勝負が決まるという事が多いと思ってしまうのも、特に初めて入試を受ける生徒にとっては、無理からぬ面もあります。
「入試はレベルの高いことを聞かれる」と思い込んでいるからです。
しかし実際は誤りです。
入試の勝負は、ほとんどの場合「基本問題を精密に解けるかどうか」で決まっています。
基本問題を必ず精密に解ける生徒は、受験生が思っている程にはいないのです。
これは難関校の受験であっても同じです。
入試で失敗している人の多くは、
「難しい問題にこだわり」
「必ず取るべき皆が出来るような基本問題をいくつも落として」
不合格になっています。
見事なまでに、同じようなパターンで失敗をしています。
実力はあったのに、残念ながら不合格になってしまった例を分析してみると
多くの場合に
「入試では難しい問題を解かないといけない」という思い込みが捨てられないというパターンが見られました。
そして、難易度の高い問題の対策ばかりをやって、結果基本問題を間違えていました。
「基本問題をいつも精密に正答できる能力」こそ、受験には必須の能力です。
基本問題をすべて精密に正答する難しさ
しかし、この「基本問題をすべて精密に」という要請ほど、実は達成が難しいことはありません。
実に多くの受験生が、そのことを勘違いしています。
数学が得意で大好きという生徒でも、基本問題でちょっとしたミスをすることは多々あります。
たとえば基本計算が10問あり難易度が高い問題が3問あって、残り7問が中程度の問題(計20問)の出題だったとして
高得点で合格する生徒が18点や19点を取る時に、間違った1問ないし2問が基本問題である確率も、意外に高いのではないかと感じています。
理解できているのに作業を誤って間違えるというミスは、むしろ簡単な問題の方が人間の心理的には出やすい傾向があると思います。
だから入試の場において、そういうミスがほとんど出ないという事があれば、その生徒は、すでに確実性が高いごく一部の集団に入っていると言って良いでしょう。
先程の例で、20問中12問が合格ラインだとすれば
難易度の高い3問+中程度の問題5問だけを間違えて合格するのと
基本問題を8問間違えて、他の難易度の高い問題などを正解するというのでは
どれだけ大変さが違うかは、言うまでもないと思います。
基本問題を10問確実に正解できれば、あとたった2問正解すればもう合格なのです。
こういう事が確実にできる人を「入試に強い受験生」と言って良いのではないかと思っています。
エラーがないのとホームラン狙い
「基本問題を絶対に落とさない」というこの考え方は
野球で言えば、守りの強いチームを育てるということになるでしょうか。
簡単なゴロやフライを取り損ねる率を極小化して、「負けない」ゲームをできるようにすれば
勝つ確率は飛躍的に上がります。
逆にホームランを打てるが、エラーばかりしていれば、簡単に負けてしまいます。
それと同じことです。
高校入試は難しくない
以上の話は、国家試験のように試験自体のレベルが高い場合は、そのままあてはまりません。
そういう試験では、
ベーシック問題は100%取って当然で落としたらアウト
ミドルレベル問題は最低半分以上取る
ただハイレベル問題は気にしない
というような基準になると思います。
考え方の基本は同じですが、得点のシビアさが違ってきます。
でも高校入試の場合は、そこまで完璧でなくてもOKです。
意識をしっかり基本問題に向けておいて、確実にそれを取れるようにすれば
最小限の努力で、相対的に上位に位置することが可能になると思います。
遠回りの受験勉強をしてしまわないように、この考え方をぜひ参考にしてみてください。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。