熟字訓
熟字訓というものがあります。これは一語一語の漢字の読みと離れて熟字(複数の漢字のまとまり)に読み(訓読み)を当てたものです。
以前にも蒲公英(たんぽぽ)や土産(みやげ)などを紹介しました。
熟字訓は、本来の用法と離れて読み方を当てただけの当て字とは異なり、幹事と意味とのつながりがある程度あるものです。ただ1字ごと見ると読みがかけ離れているというだけのものだということです。
熟字訓には実に様々なものがあり、また学校でも多くの熟字訓を習います。
五月雨(さみだれ)とか老舗(しにせ)など皆さんもよくご存じのものが多いかと思います。
味のある表現
熟字訓の中でも、気持ちを表す表現に関するものは
ひらがなで書くよりも味がある表現になることが多い気がします。
たとえば「たいしたものだ」という意味の「あっぱれ」は「天晴」と書きますが
漢字で書いてあった方が断然「たいしたものだ」というイメージが浮かびやすいように思います。
逆にたとえば「いよいよ」というのが「弥弥」であると言っても全然ピンときませんね。
熟字訓の中には日常では使わない漢字検定だけで出てくるようなものも多いので、見ても「何これ」というものもあります。
柔らかな表現も漢字にできる
熟字訓は文字通り訓読みですが、漢字のまとまりをそのまま読みに当てはめているので、柔らかな表現を漢字にできるような気がします。
「おかしい」をそのまま書いてもいいですが「可笑しい」と書くと「笑」という字がはいっているので、イメージがわきます。
「おいしい」も同じで「美味しい」という漢字を見れば、読まなくても意味がわかったりします。
こういう気持ちをよく示すことができる言葉は
我が国の漢字文化の深さをよく感じ取ることができるものだと思います。
熟字訓についてはまた記事を上げていきたいと思っています。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。