よく聞く言葉だけど
私たちは日常いろんな言葉を耳にします。
でもそれらの意味や漢字を全て知っているかと言うと
意外にもよく知らないものも多いのではないでしょうか?
今回は漢字3文字で書く三字熟語の中で
「言葉は聞くことがよくあるけれども、漢字を知らない人が多い」
そんな言葉をご紹介します。
あんぽんたん(安本丹)
「何を言っているの、このあんぽんたん」
お笑いや落語などで出て来そうな会話ですが、
「あんぽんたん」という言葉があります。時代劇などでも聞くことがありますね。
長屋の八兵衛あたりが何か変なことを言って、奥さんに叱られているような場面が目に浮かびます。
「あんぽんたん」は間が抜けていることを指す言葉です。
この言葉、実は漢字があるのです。
それは「安本丹(あんぽんたん)」という三字熟語です。
語源については様々な説があります。
胃腸の薬の反魂丹(はんごんたん)からきているという説やカサゴ科の魚の一種である魚の名前からきているという説、フランス語だという説などがあるようですが定説はないようです。
字については、見るからに薬の名前のように見えますね。
「あんぽんたん」は、「本当に愚かで許せない」というニュアンスではなく、上記の例のように、ちょっと間抜けで「仕方がないやつ」という感じの言葉です。
あまり上品ではないですが、味があって面白い言葉だと思います。
がらくた
「がらくた」は皆さんよく耳にする言葉であると思います。
使い道がなく、役に立たないものを「がらくた」と言います。
「こんながらくた、捨てておいでよ」というような使い方をされますが
イメージとしては完全にひらがな言葉やカタカナ言葉のように感じます。
しかしこれも実は漢字があります。
我楽多(がらくた)という三字熟語があるのです。
ただ漢字と読みの間に意味の関連性が全くないので、熟字訓ではなく当て字です。
多くの物が触れ合ってぶつかる様子を擬態語で表すと「ガラガラ」という感じになります。またゴミは、古来「芥(あくた)」などと呼ばれていました。
これを合わせてできたのが「がらくた」という言葉です。
簡単に言うと「ガラガラアクタ」が短くなって「ガラクタ」「がらくた」となったようです。
漢字としては「我楽多」が有名ですが、「瓦落多」という漢字を当てることもあります。
ちょこざいな
「ええい、ちょこざいな。無礼者」
時代劇をよく見る人ならば一度は聞いたことのあるセリフではないでしょうか。
「ちょこざいな」は「小生意気な」という意味の言葉です。
これも一般の感覚では、「セリフに出てくるような言葉なので、ひらがな言葉かな?」と感じるかと思いますが
実は漢字があります。
「猪口才(ちょこざい)」という三字熟語があるのです。
お酒を飲むときの容器として「お猪口(おちょこ)」と言うのがありますが
これは「猪口」が元々「ちょく」と読まれていて「ちょっとだけ」という意味を示す「ちょく」の当て字だったのを、
飲み物の容器の名前に付けて
いつの間にか「猪口(ちょこ)」と読むようになったもののようです。
そして「猪口=ちょっと」の「才=才能」という意味で
「少し才能があるからと言っていい気になっているやつ」と言うようなイメージで
「小生意気な」という意味の言葉の「猪口才」が生まれたという事のようです。
私はてっきり猪(イノシシ)と何かつながりがあるかと思っていました。
しかし全く関係はありません。
そういえばイノシシは堂々としていて「小生意気な」という感じではないですよね。
もちろんイメージなので小生意気なイノシシもいるかもしれませんが・・・
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。