対義語
反対の意味を表す言葉を対義語と言います。
「安全」の対義語は「危険」
「困難」の対義語は「平易」や「簡単」といった具合です。
言葉には複数意味があるものも多いので、対義語も複数になる場合があります。
たとえば、「交流」の対義語と聞かれたら皆さんは何と答えますか?
「友達と交流するの反対か?何だろう?」「絶交かな」
そういう風に思われる方が大半ではないでしょうか。
そう思って悩んだあげく答えを書いたら見事に✕で
正解は「直流」
「何だ、そっちかよ」という話です。
直流は電流の学習で出てくる言葉で、確かに「交流」の反対は「直流」です。
では「絶交」ではダメかというと
人と触れ合いお付き合いをする「交流」の反対語としては選択肢の1つとして正しいのではないかと思います。
ただ実際に✕にされていた答案を見たことがあるので、そういうのを見ると「先生、よく考えてよ」と言いたくなるところではあります。
「何だろう?」と考え込むこともある
対義語はたいてい極端な言葉が問題として挙げられるので
問題として出されるものは、割と「ピンとくる」感じで答えが出しやすく作られています。
「長所」の反対が「短所」というような感じです。
しかし、聞いただけではイメージが浮かびにくいものもあります。
たとえば「現実」の対義語は何だと思いますか?
聞かれてまず思うのは「現実ではない事」というイメージになります。
普通の正答は「理想」または「空想」になると思いますが
「非現実」は浮かんでも「理想」「空想」はなかなか浮かびませんね。
よく見る解答は「夢」
これは二字熟語という縛りがあれば✕ですが
そうでない場合には、間違いではなく
むしろ「理想」や「空想」よりぴったりの対義語のようにも感じます。
しかし(二字熟語の縛りなしなのに)これも✕にされている答案を見たことがあります。
「消滅」の対義語
「消滅」の対義語も、そういうすっきり浮かんでこないものの一つです。
普通に考えると「消える」ことの反対は二通りあります。
「消えない」と「生まれる・生じる」です。
ところがテストなどで出題されるときの解答は「発生」あるいは「出現」になっていることが多いようです。
しかし「消えない」を表す「存続」も対義語としてありではないかなと思っています。
一口に対義語と言っても「よく考えるとそれだけではない」ということはよくあります。
私たちが問題の添削をしているときには、よく「あれっ、これも言われてみると正しいな」と思える解答を見かけることがあります。
そういう場合私は正解にするのですが
学校のテストにおいては、あらかじめ問題集とかに出ているものを出すことが多いため
公平上と言うことを考えてか、上記のように「内容的には正しいが✕」という措置をされることを見かけます(もちろん先生によります)
しかし、国語も科学的思考の適用される学問の一つなのですから
「正しいものは、解答書に別の解答があろうとなかろうと正しい」のです。
その点はおよそ物を教える人はすべて心に刻むべきだと思います。
対義語の学習は簡単なものは即答しやすいのですが
今回の例のように意外にも深い考察が必要になるものもあり
その意味では「面白い学習」です。
何事も楽しんで勉強する。それが一番ですね。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。