「猫」の部首
猫は「ネコ」「ねこ」というように漢字を使わないで表記されることが多いようです。
「猫」だとちょっと理科の動物分類っぽい感じになるからでしょう。
でも今回はその「猫」の漢字の由来のお話です。
「猫」の漢字は珍しく日本でできた漢字と言われています。
いわゆる和製漢字(国字)です。
和製漢字は最初に日本でできてその後大陸へ渡ったりしています。
大陸ではねこの事を最初「狸(リ)」と書いていましたが、後に「猫」と書くようになったらしいです。
「狸」はわが国ではあの「タヌキ」を指す漢字です。まあ何となく似てはいますがね…。
部首に関して言えば、
「猫」の部首である偏(へん)はけものへんです。動物なのでこれはまあ当然ですね。
問題はなぜ旁(つくり)が「苗」だということかです。
なぜ「苗」なのか?
猫の旁(つくり)の「苗」は、普通「なえ」と読みますね。
田んぼに生えている稲の苗などを想像する人が多いかと思います。
「そんな苗と猫との関係って何だろう?」と思いませんか。
これには色々な説があります。
まず「苗」の字を見てください。それは「田」に「くさかんむり」がくっついている漢字なので、「田んぼに生えている若々しくも並んで生えている草」と言えるでしょう。
こんな草(苗)は細くてしなやかなイメージがありますね。
だからこれが「猫」と結びつくわけです。いわば猫のイメージ由来説です。
次に「苗」の読み方ですが、訓読みは「なえ」「なわ」があります。
「なわ」は例えば猪苗代湖(いなわしろこ)などで使われていますね。
これに対して音読みでは普通「ビョウ」と読まれます。
種苗法(シュビョウホウ)の読みなどがこれにあたります。
しかしこれの他にも「ミョウ」という音読み(漢音でなく呉音のようです)があるのです。
また猫も「ミョウ」とも読みます。これが猫の鳴き声と似ているというのです。
これは猫の鳴き声由来説ですね。
でもねこって「にゃあーぉ」って鳴きませんか?
3つ目の説はこの苗をかじってしまうネズミを退治するのが猫なので
そのことから苗を守るものとして「苗」の字が使われたというものです。
いわばネズミ防止説です。
色んな説がありますが
いずれにしても何だかかわいらしいですね。
猫だけに、つい情景を想像してしまいます。
猫が田んぼの苗の間をちょろちょろと動き回り「ミョウミョウ」と鳴き
ネズミを追い回している姿…
ちょっと面白いですよね。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。