式による説明
中2の数学から数の規則性を根拠に式によって説明をする学習が始まります。
たとえば2nが偶数で2n+1が奇数であるというような学習です。
偶数は2の倍数なので、2×整数の形であれば偶数という事になります。
だからnが整数ならば2nは偶数、xが整数ならば2xは偶数と言えます。
なお偶数は2で割り切れる(商が整数になる)数ですので、理論上その整数が0でもマイナスでも偶数になりますが、学校では自然数をかけた2から始めるのが通例のようです。
意味がどうしてもわからない
わりと単純な話に聞こえますが、実はこの考え方がどうしてもわからない生徒がかなりいます。
偶数は2,4,6,8,10・・・
2は2×1、4は2×2,6は2×3、8は2×4、10は2×5・・・
かけられている数は順に1,2,3,4,5で正の整数ですから
この数を仮にnとすれば
2×nですべての偶数を表せるという理屈です。
しかし「なぜnなのか?」そのことにこだわってしまう生徒が多いのです。
この場合文字は何でもいいのです。nでもxでもyでも・・・
ところがその事が決まった形で覚えていきたいという習慣のある生徒には
かえって難しくなります。
問題を解く度にこんな質問がかえってきます。
「先生解答には偶数は2mとなっていますが、2xでは間違いですか?」
生徒の多くが解答書に2mとあり自分が2xと書いている場合には
赤字でこれを直していたりします。
クラスの決まりでnとmを使うと決めてしまった先生がいたこともありますが
いくら指導の便宜とは言え、それは数学に対する自由な発想に制限をかけることで私はどうかと思いました。
いずれにせよ、自由な発想という事を教えることは難しいのだという事を、この単元の学習では気づかされます。
奇数になるとなおさら
2nが偶数なら奇数はその次の数なので2n+1になるはずですが、これもやはりすっきりわからないのが実際です。
たとえば奇数3は2×1+1の形なので、これを順に考えていくと2×2+1(=5)、2×3+2(=7)と言うように2n+1の形が奇数で表せることを説明すると
偶数がすでに理解できている生徒はようやく奇数の意味を理解します。
数学が得意な生徒でない場合には、こんな所でもかなり抵抗感を持ってしまって
その後に出てくる証明の学習などがお手上げになってしまうこともあるので、注意が必要です。
時間をかけても意味をしっかりつかんでから次へ行くべきです。
なぜ文字が2種類?
さらに生徒を混乱させるのは文字が2種類でてくる場合があることです。
「2つの連続する偶数と奇数の和」と言う場合には2n、2n+1でいいのに
「偶数と奇数の和」というように一般的に言う場合には2n、2m+1と文字を置くという事がどうしてもわからない生徒がかなりいます。
これは連続する場合にはかけられる数が同じ基盤の上にあるためnを使うとしても
漠然と偶数と奇数と言う場合には2つの異なった数を操作するため2種類の文字を使い
逆にそうでないと証明の結末の所で上手く結論にもちこめないためなのですが
そういう細かいところまでは教科書には説明がされず
教師からそれに関する指導がされているのを聞いたこともありません。
問題を見ながら生徒が考えるしかないため、
「そりゃあ難しくなるな」と納得してしまったりします。
この単元は基本の部分をよく理解できるとあとは一気に応用が効くのですが
基本がよくわからないうちに問題をたくさんやっても次々に疑問がでてきてしまうので
まず最初に丁寧に意味を確認していくことが大切だと思います。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。