【ターンオーバー】人体が原子から構成され、シナプスさえ日々構成要素が入れ替わるのに、なぜ意識には同一性があるのか?

人体を構成する細胞

 私たちの人体はすべて細胞でできています。

その数ざっと30兆個。すさまじい数です。

以前は60兆個と言われたり、最近では37兆個と言われたりしていたようですが、最新では30兆のようです。まあ実際に1つずつ数えるわけではないので、数字もアバウトなんでしょうね。

ただ30兆個というのは、「無限に多い数」というイメージとしてはぴったりの巨大な数字です。

これだけの細胞が私たちの体内にあると思うと、気が遠くなるようなミクロの世界に自分が吸い込まれていきそうな感じではあります。

細胞の入れ替わり

 私たちの体は新陳代謝を繰り返して、日々細胞が入れ替わっていくと言われています。

髪の毛だって抜けて新しいものが生えてきますものね・・・

細胞の入れ替わりは概算で100日くらいで1サイクルになっているようです。もちろん体の部位によって異なります。

分子レベルでいうと代謝回転(ターンオーバー)という形で細胞が入れ替わっても動的な平衡状態が保たれて人体の同一性が保たれているわけですが、

それにしても言い方を変えれば、100日で人は少なくとも物質的には別人になっているということも言えると思います。

原子でできている物体

ではその細胞というのは、もっとミクロの目で見ていけばどんなものなのでしょうか。

細胞の構成要素である核とか細胞膜と言う話ではなく、もっともっと小さい世界に入って行けばどうなるかという事です。

そういう目で見ると、細胞ももちろん原子から出てきているということになります。

人体は有機体の最たるものですから、炭素を始めとする多くの原子から構成がされていることになります。

そうだとすると、そこにある炭素はたとえばあなたが通りすがりの公園で見かけた1本の木を構成している炭素Cであることになります。

もちろんその木に現在含まれている炭素とあなたの胃の細胞を構成している炭素が同じというわけではありませんが、

この世界のすべての物質のベースが同じものであり、交換可能なものであることであることは確かです。

シナプスも原子でできている

 私たちが思考をする際に活動しているとされる大脳にあるシナプスは、神経細胞(ニューロン)間や神経細胞と他種の細胞間に形成される、信号(シグナル)を伝える神経活動に関わる接合に大変重要な役割を果たすものです。

ニューロンの樹状突起間をシナプスが結び、高速道路網のようにどんどん網目が広がっていくことで私たちの頭脳が知識や情報を蓄えていくとされています。

これらの頭脳の活動の中心になっている部位も、すべて元は原子でできており、日々入れ替わりをしているというのは、体の他の部位と変わりはありません。

私たちの意識の同一性は何処から来ているのか?

 このように考えた場合、私たちの意識がもし大脳の働きによってすべて司られるものであるとすると、細胞や原子が100日で入れ替わってしまう事について、一体どうとらえたら良いでしょうか。

 もちろん胃や心臓も同じように、中身がすべて入れ替わっても動的な平衡状態を保っていて同一性を保っているのですから、

脳のパーツだって同じじゃないかと言う風に考えるのも論理的だとは思います。現に学者のほどんどはそう考えているようです。

しかし、これは一般的な感覚からはちょっと不思議な気もします。

人体において脳から指示を受ける部位については「入れ替え」が可能でも「司令塔」というか「自分そのもの」である意識を発信している場所であるシナプスやニューロンが入れ替われば、それはもう「自分」ではなくなるのではないかという疑問が生じるからです。

 これは「意識は脳内にすべてとどまるものなのか」という命題にかかわる問題です。

先日動画チャンネルを見ていたら興味深い話を聞きました。こんな話です。

ラジオと言うものを知らず砂漠で初めてラジオを見た人は、放送がラジオと言う機械ですべて行われていると思い込むが、それは単に受信機に過ぎず、放送はラジオ局で行われているとうものでした。

脳が単に受信機であるにすぎず、意識の存在する場所が脳外にあるとすれば、これと同じ話になります。

その場合ラジオ(脳)はパーツがいかに入れ替わろうとも同一性は保てて、何ら問題はありませんが、放送局(意識の在処)については、それを立て直すには「一旦放送内容をどこかに録音して」メモリー化しておいて工事をしなくてはならないはずです。

最も大本の創造(極端に言えばその人間の世界の創造)というオリジナルの作業を行う部署が、入れ替えと同時に継続できるというのは違和感がある話です。

 それとも動的平衡を保ちつつオリジナルな意識を保てるような特別な仕組みがあるのでしょうか?

いずれにしても脳を巡る科学は飛躍的に進歩しているのに、この「意識と脳」の関係については脳科学者が「意識は脳内の現象で説明できる」という大前提に立っているので、なかなか研究が進まない分野のような気がします。

というよりも研究して言ってもエビデンスがなかなか見つからないので、研究のコスパが悪いので手を付ける人が少ないのかも知れません。

しかし、私たち一般人においては非常に興味がある分野ではありますので、今後の研究を期待したいところです。


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