苦手な人が多い不定詞
中学校の英語では、多くの生徒が不定詞を苦手にしています。
これは不定詞と言う考え方が耳ならないという事もありますが、基本の3類型(名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法)の他にも応用のパターンが割とあって混乱しやすいという事があると思います。
今回はその中で目的語を取る形の不定詞の特別用法について、起こりやすいかんちがいについて書いてみたいと思います。
不定詞の特別用法
たとえば I ask him to go there. という英文は、to go という不定詞の部分を含んでいます。
この場合、to go は「行くこと」という名詞的用法の役になり、to go thereは「そこへ行くこと」となります。
そして 冒頭にI ask him があるため「私は彼に~頼む」という構文になりますから、
併せて訳すと、「私は彼にそこへ行くように頼む」という意味になります。
to go there は、彼にやってほしいことの内容と言うわけです。
起こりやすい勘違い
ここでよく耳にする勘違いがあります。
文法を厳密に理解しないまま、何となく漠然と訳してしまうと起こる例として
「私が彼に頼んで(私が)そこへ行く」というような誤訳があります。
「そこへ行く」のは私ではなく彼なので、人が入れ替わった意味になってしまいます。
wantを使った構文
同様の特別用法の例としてwantを使った不定詞の文があります。
タイトルの I want you to study English. がこれにあたります。
正しい訳は「私はあなたに英語を勉強してほしい」です。
to study Englishを「英語を勉強すること(名詞的用法)」と考えて、「あなたにそれを求める」という仕組みです。
したがってタイトルにある質問「勉強するのは(誰)?」の答えは、「あなた」ということになります。
こちらのスタイルの構文の方が誤訳はたくさん出るようです。
よく聞くのは「私は勉強するのをあなたに助けてほしい」というような解答です。
イマージとしてそんな感じにとらえられるのはよくわかりますが
そういうぼやっとした感覚で解答をすると、中学高校の文法英語では容赦なく✕がつきます。
昔あった面白い誤答としては「わたしはあなたが欲しい。だから英語を勉強する」というのもありました。
単語を組み合わせると確かにそんな意味にも取れてしまいます。発想力はなかなかだと思いますが、もちろん丸はつけてもらえないでしょう。
不定詞については別の稿でも取り上げていますが、とにかく基本をしっかり確認することが重要です。意味にしても使い方にしても「何となく」でやっていると100%✕ばかりになってしまうなかなか厳しめの単元です。
まず基本の3つの訳し方「~すること(名詞的用法)」「~すべき(形容詞的用法)」「~するために(副詞的用法)」を確認しましょう。
そして不定詞と言うものが基本形は to +動詞の原形であること、または原形不定詞であれば動詞の原形であることをしっかり脳裏に焼き付けることから始めるといいですね。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。