【乗る・載る】なぜ「相談に『乗る』」?何かに乗っかるの?

「乗る」

「のる」という言葉には「乗る」と「載る」という漢字があります。

良く知っているようで意外に知らない、この二つの言葉の使い分けについて今回は書いてみたいと思います。

「乗る」と言えば、車に「乗る」をまず想像しますが、この場合「乗る」は①「何かの上に身を置く」という意味で使われています。これには「移動する」という意味合いも含まれていることがあります。

しかし「乗る」の意味はこれだけではなく、別にもあります。

たとえば「ブームに『乗る』」は②「勢いにまかせて進む」という意味でつかわれていますし、「リズムに『乗る』」は③「調子に合わせる」ことを指します。

また「おだてに『乗る』」は④「相手の考えに動かされる」という趣旨ですね。

⑤「相手の持ちかけに応じる」という意味もあります。「儲け話に一口『乗る』」というような場合です。

「載る」

 「載る」の場合、たとえば「荷物を『載せる』」は①「物を何かの上の置く」場合に使いますが、

他にも②「書籍に記録される」場合も「載る」が使われます。「雑誌に『載る』」はこれにあたります。

少し「乗る」とは使われ方が違うので注意ですね。

相談に「乗る」

 誰かに相談された場合にそれに応えることを「相談に乗る」と言いますが

これは上記の「乗る」の中では「相手も持ちかけに応じる⑤」にあたります。

でも何で「乗る」なんでしょうか?

 言葉の用法としてはもちろんそれで終わりですが、乗り物でもないのに相手の持ちかけに応じるのを「乗る」というのは、実際にはちょっとイメージ的にすっきりしませんよね。

 私はこれについてはこんな感じで考えています。

これは相談という自分に向けられた目に見えない「助けてください」というお皿に、自分が乗っかるという感じの言葉なのではないでしょうか。

「載る」はものが積み上げられたり、記録のような情報が掲載される場合なので、この場合の「のる」にはふさわしくありません。

自分自身が相手のために「乗っかる」というイメージがあるのだと思います。

言葉については辞書に意味や用法が書いてありますが、こういう風に「どんなイメージなのかな」と考えてみるのも面白いですよ。

皆さんもやってみてはいかがでしょうか。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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