【ちょっと現在完了を】I have been there. の意外な3つの訳し方

現在完了

 中3で現在完了を学習しますが、基本の考え方はともかく、バラエティーに富んだ特殊な言い回しや訳し方もあって、ちょっとそのあたりで足踏みをしてしまうという人もいるようです。

I have been there.という文には、いろんな文法の要素が詰まっているので、興味をもって学習するととても面白いですが、これを暗記と思って学習すると、「何でそうなるの?」という気持ちにもなってしまうかも知れません。

 前提としてまず、現在完了について説明します。

中学校で学習する基本的な現在完了の形としては、「ずっと~している」という継続用法、「~してしまった」という完了用法、「~したことがある」という経験用法がありますが、

これはすべて「have + 過去分詞」の形の文の構成をしています。

元の文の意味

 まずこのことから考えてI have been there.have been there.を見ると、これは現在形ではI am there.という文になります。

thereの意味は「そこへ」「そこに」ですから、「私はそこにいる」という意味になりますが、これを上記の公式通り現在完了にすると、have が入り、動詞であるamの過去分詞はbeenなので、 I have been there.になるわけです。

学習過程の生徒を見るとbeenには意味がないようなイメージをもって暗記で訳を覚えようとする人を見かけますが、こういう形で現在形との比較をすると、全体像が頭にすっと入ってくると思いますのでおすすめです。

1つ目の訳「私はそこへ行ったことがある」

 I have been there.の一番ポピュラーな訳し方は「私はそこへ行ったことがある」という経験用法としての訳です。

実際には have been to~=「~へ行ったことがある」という形で熟語的に覚えてしまうことが多い形ですが、thereは単なる名詞としての「場所」ではなく「そこへ」という副詞のためtoが不要です。それでhave been thereだけで「そこへ行ったことがある」になるのです。

同じようにtoが不要な形としてI have been abroad.「私は外国へ行ったことがある」というものがあります。

2つ目の訳「私はずっとそこにいる」

現在完了としてはほかに完了用法と継続用法がありますが、完了については「もうそこに居てしまった」というのはちょっと現実的ではないですね。

しかし継続の方では「私はずっとそこにいる」と訳すことがあります。

ただhave been here「ここにいる」ではなく「『そこ』にいる」というのを自分で言うシチュエーションは限定的ですから、そんなに多用されるものでもないです。場所を言った後にそれを引いて指示語的に伝える場合に利用される言い回しです。

3つ目の意外な訳は「私も同じ経験をしたことがある」

 もう一つの意外な訳は「私も同じ経験をしたことがある」です。

thereを物理的な場所に限らず、「人がおかれる位置や境遇」という意味にとらえると、経験的に「そこへ行ったことがある」と言うようりもは「その立場にいたことがある」という趣旨になりますから、これはそういう意味を反映した訳し方だと言えます。

 何か相談されたときなどに「ああ、私も同じ思いをしたよ」というような感じのニュアンスとして使われるようです。

 以上今回はI have been there.という文を取り上げてみましたが、ちょっとした一文でもこのように複数の意味があるところが英語の難しいところでもあり、逆に面白いところでもあります。

またそういう興味深い訳があればお伝えできればと思います。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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