【苦手の作り方】「勉強がわからなくなる仕組み」とは?

苦手がなくなれば勉強は楽しくなる

 当たり前の事ではありますが、勉強について面倒くさいとか学習習慣がうまく行かないということもあるとしても、勉強の苦しみを感じているとすれば、その中心はやはり「苦手意識」というものにあると思います。

いくら疲れて学校から帰って勉強に手をつけたくないにしても、その勉強が大の得意で、解くのが楽しくて仕方がないという状態であれば、まあ普通に勉強を毎日することに抵抗はないのではないかと思います。

 だとすれば、この「苦手意識」を取り除くという事は勉強全体において大きな意義がある事ですが、多くの生徒たちは自分で気づかないうちにやり方を間違えてこの苦手を作り出していると言えるのではないかと思います。

今回はそんなお話です。

苦手な単元を実は「自分で作っている」

 数学でも理科でも、特別に「苦手な単元」というものがある生徒が結構います。

他はそんなに苦手と言うほどではないのに、その単元だけどうもしっくりこないという事があります。

 多くは理系科目に起こりがちな現象です。

 そして、自分では「知らないうちに」苦手になったと思い込んでいますが、それは完全に思い違いです。

実は苦手な単元は「自分で作っている」のです。

原因その1 最初に丁寧に押さえない

 苦手単元の作り方その1は「最初に丁寧に押さえない」という事です。

たとえば方程式の学習を始めた際に、最初に先生の話をよく聞かず「適当に数を当てはめて答えを出す」ということをやってしまう生徒が結構います。

毎年見かけるので、これは方程式の学習の入り口での生徒が陥りやすい顕著な現象なのだと思います。

それで答えが出たりするので大丈夫と思っていると、方程式の性質や仕組みを丁寧に押さえていないので、途中から全く歯が立たなくなります。

 これでは、自ら苦手になるようにしているとしか思えません。

算数で勘とスピードだけで正答を出してきたような、割と頭の回転の速い生徒が意外にこういう間違いをしてしまいますので、注意が必要です。

早く答えを出すということや、「こんなの簡単だよ」と周りにアピールしたいタイプの生徒は要注意です。いわゆる数当てでも方程式は結構解ける場合があります。だからやり方をきちんとしなくても最初は正解が出たりするので、それに味をしめてやっていると、そのうちそのやり方では出せなくなるため、大変なことになってしまいます。

原因その2 全体像をつかむ前に特定の所ばかり繰り返す

苦手な単元の作り方その2は「全体像をつかむ前に特定の所ばかり繰り返す」という事です。

 中学でも高校でも、一単元というのは結構なボリュームがあります。

 苦手を作りやすい生徒と言うのは、全体像をつかめずディテールにこだわっている間に自分が何をやっているかわからなくなって、混乱してしまうことが多いようです。

 たとえば一次関数では、公式と式の求め方、グラフの書き方、グラフの読み方、二元一次方程式とグラフ、文章問題など色々学ぶことが多いのですが、

グラフの書き方と、公式の段階で出て来る変化の割合の求め方は、実はリンクしています。

グラフを描くには「xがいくつ増えるとyはいくつ増える」というやり方で描くのが、かなり簡単な方法ですが、これなどは、変化の割合の公式をそのままグラフに当てはめているに過ぎません。

だからお互いにリンクさせて、頭の中に入れていくのが非常に効果的なのですが

 変化の割合の公式だけを一生懸命丸暗記して、数字だけとにらめっこして首をかしげている生徒が結構います。

「グラフで考えて見よう」と言ってグラフで説明してあげると、途端に理解ができるのですが、

そこまでいかず「まずこの式を」という感じで、全体像を見ないままやっているので、いつまで経っても自分の中で「ストン」と理解ができて、落ち着く瞬間がやってきません。

 そしてまた「全く新しい事項を別個に習う」と思い込んで、グラフに移ります。

その時には、前に習った変化の割合のことなど忘れ去っているので、再度別の角度で、一からやっていかなくてはならず、効率の悪い事この上ない状況になってしまいます。

 結果「なんだかよくわからない単元」という評価を、この単元に対して持つことになるのです。

 よく言われる荒削りに一旦通ってしまい、全体像を見るというやり方にはかなり合理性があるのです。

原因その3 やり尽くさない

苦手な単元の作り方その3は「やり尽くさない」という事です。

 せっかくやり方を学習して理解しても、それを自分のものにするまで、確認なり演習なりをせず、「ここはわかった」として先へ進み

あとで自分はできるつもりでやって意外にできないことを知り、すぐに苦手意識を持ってしまう、そんな悪循環を良く目にします。

 要は「わかったつもり」になっているだけで、自分のものにして「十分な理解」をしていないのですが、大体のイメージをつかむだけで、大丈夫と思ってしまう生徒は多いです。

特に、過去に算数なり数学なりで割と順調に行っていて良い得点を取れていた生徒が、こういう浅い理解でつまづくことがあります。

 たとえば小6の算数の実質的分量と中1の数学の分量では中身が相当違うのです。

小6の時に学校の先生の話をしっかり聞いていて、それだけでテストで100点を取れたとしても、

同じ分量をイメージして中1の数学でそれをしようとすると、相当上手くいっても70点くらいしか取れないでしょう。

 やるべきことが多くなっていれば、つぶしていかなくてはいけない点も相対的に多くなってくるので、同じやり方ではダメなのです。

自分の感覚で「できる」「できない」と即断するのではなく、色々な類似の問題を解いて見て、

その上で「これについては自信あり」と言えるくらいまで詰めておくことが重要です。

 それをしっかり積み重ねていく事が出来れば、中1はおろか高3になっても、100点を取ることは可能です。

「何となくわかった気がして」「何となく問題が解ける気がして」「何となく間違えて」「苦手を作る」というのは、そろそろやめにすべきです。

「十分にわからないからしつこく確認して」「問題をミスしたらその都度『なぜだ』と考え」「1つ間違えたら悔しがって」「得意を作る」

こういう流れにしていくことを考えることを、強くお勧めします。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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