【コンフォートゾーン】「根拠のない自信」には本当は根拠がある?!

自信を持つことの難しさ

 私たちは何かにチャレンジするとき、新しい事を始めるとき、そうでなくても日々の仕事や勉強で、あるいは自分の企画で、「うまくいくに決まっている」と考えるという事がなかなか難しくてできない傾向があります。

 それは一つには日本人の自己肯定感の低さという民族性にあるかも知れませんが、それ以前に、非日常というものへの恐怖感というものがかなり強いということもあるのかも知れません。

温帯でどちらかと言えば暮らし易い上に島国であり、元々周りは知り合いばかりというような郷土をベースにした日本という国は、よく言えば協調性や和の精神に満ちた国である一方、悪く言えば「居心地が良すぎる場所」が多く存在する国かも知れません。

極寒や灼熱の環境にある国に生きていたり、明日にも空爆を受けるというような環境下であれば、とにかく「次の一手」というような思考法を持つようになるでしょうが、私たちの発想はまるで猫のように「少しでも長くこの安定が続きますように」というようなところからスタートしているように思います。

良いか悪いかは別にして、このことが私たちに「根拠のない自信」を持たせない原因になっているような気がします。

子ども以外で「根拠のない自信」をたくさん持っている大人というものには、普段の暮らしでなかなか出会う事はないでしょう。

コンフォートゾーン

 私たちは誰でも「居心地の良い場所、空間、習慣」というような、日々の生活で気楽にいられる世界ともいえるものを持っています。

脳科学の世界では、このような世界のことをコンフォートゾーンと呼びます。

これは物理的な空間を指すのではありません。

 たとえば「責任ばかり増えてメリットが少ないから、出世なんかできればしたくない」という考えを持っている会社員が、ある時抜擢されて部長になったとします。

元々のびのびと仕事をしていたため、発想力があり、また明るく他の社員にも「無理せずやろうよ」などと言ったりして、現代的な意味での人望も高かったというのが理由でした。

 しかし、いつもは定刻に仕事を切り上げて、本屋に寄ったりして早い時間に帰宅出来て、家族だんらんをしていたのに、

部下がなかなか思うように動いてくれず、連日深夜まで残務をこなさなくてはならなくなり、これまでとは違う過大な責任を感じる毎日の中で、

彼のコンフォートゾーンの前提でもあった日々の生活パターンは崩れ、

 これまでは、責任を負わず気楽に仕事ができるということをむしろ「快」としていたのに、それすらも困難になった彼は、次第に眉間にしわを寄せてイライラするようになります。

ミスも続発します。そして時に結果として、想像以上に結果を出すことができなくなってしまったりするのです。

 こういう場合にはコンフォートゾーンと現在の状況が、あまりにかけ離れてしまったために、潜在意識が元のゾーンに戻そうとしていることがあると言われています。

潜在意識があなたを守る

 潜在意識についての研究は日進月歩で進んでいるようですが、まだわからない部分もたくさんあります。

でも潜在意識をうまく活用できるようになれば、様々な面で大成功を収めることも可能ではないかと言われています。

 コンフォートゾーンに人がいつも戻ろうとしてしまうのも、この潜在意識の力が大きくかかわっているようです。

 では、どうすればいいのでしょうか。

 潜在意識は、時に人を失敗に招く原因にもなりますが、それはあなた自身を守ろうとしている場合がほとんどのようです。

たとえば上記の例でいえば、新しい環境に置かれている本人を、もとの自分自身が「快」を感じて暮らせる場所に戻してあげようとしているのです。

 だとすれば、結論は簡単です。コンフォートゾーン自体を動かすしかありません。

「引き寄せ」はこの理屈から主張されている

 最近流行の「引き寄せ」の法則には、実はこのような考え方が背景にあります。

「自分には数学のテストで100点なんてとれるわけはない。せいぜい60点」そう心の底から思って学習をしていて、100点が偶然とれる可能性はごくわずかです。

それは60点程度を取っているのを当然と感じてしまっていて、そこがコンフォートゾーン化しているからです。

では「100点を取るぞ。頑張るぞ」と思えばどうでしょうか。もちろんどの場合も、それに合わせた努力をしていることが前提の話ですが

この場合には100点を取れる可能性は出てきます。

しかし、これだけでは、その次も100点を取れるかと言うと、それはどうかわかりません。

本人の潜在意識に「60点の実力しかないが、頑張ればたまに高得点も取れるかも」という意識が刷り込まれているからです。

つまり「自分は努力を最大限した場合に100点を取れる人間」と思っているから、条件付けがされていて、それが制約となって働いていると言えます。

そういう働きがあるので、100点の次は40点くらいになってしまうことがあるかも知れません。

事実急に高得点を取った生徒は、多くの場合その次にかなりの得点低下を生じる傾向があります。

 ではどうすればいいかと言うと

「自分は高得点を取れる人間」「取れて当たり前」「今取れていないのはたまたまやり方がまずかっただけだから、修正すればずっと100点」

このような意識を持てばよいのです。

簡単にいうと「根拠のない自信」です。

 しかしテストの世界では特に「根拠のない自信」と「根拠になる猛烈な努力」の組み合わせが結果を出すことが多いように思います。

努力をたくさん重ねても、現場で得点を取れない生徒の多くが「努力をしたが果たして自分などに高得点が取れるだろうか」という不安と疑問を持っていることは明らかです。

だからアウトプット時に、意外に役に立つのは「根拠のない自信」であって、それが今回のコンフォートゾーンの話ともつながるのです。

 自分の意識がどのようなものになっているのか、一度振り返ってみるのも良いかと思います。

意識の正体と仮想現実

 「根拠のない自信」と言いましたが、なぜそれがいい結果につながるかと言えば、自分を無意識化で阻害しているストッパーが外れるからだと思います。

普通人というものは「根拠のない不安」「根拠のない劣等感」「根拠のない自己否定感」を簡単に持ってしまうようにできています。

とりわけ日本人は民族的にそういう悲観的な面が大きい気がします。

 だから根拠なく自信満々でいるだけで、それは相当な異常事態だと言えるでしょう。だから効くのだと思います。

意識がどこにあるかは以前も何回か記事を上げましたが、私たち個人の脳内に物理的にあるとは言えない可能性が、科学的にもかなりあります。

潜在意識がもしも私たちの個人だけのものでなく、集合意識として他の人たちすべてと繋がっているならば、これは私の私見ですが、元々人類には意識の通りに世界を動かし構築する力が備わっているのではないかと思います。

というよりもそういう集合的な無意識の投影されたのが、今の現実である可能性はかなりあると思います。

最近この世界が仮想現実であるという考え方や研究が進んでいますが、

そうだとすると、その中にいるいわばプレーヤーの私たちが、その仮想現実を動かすための具体的役割を担っているとしても、その私たちもCPU(中央演算処理装置=いわばすべての頭脳部分)と繋がっていて(集合的無意識)

それを介して仮想現実を変える指令が、仮想現実全体に対して出されているということだって考えられます。

そのような発想をすれば、「根拠のない自信」が世界を変えるという事は、実は世界の仕組みから考えると一番根拠があることなのかも知れません。

 最後のは、スピリチュアル的なおまけのような感もありますが、「根拠のない自信」を持っている人がどのような事でもうまくいくことが多いのは、世の中を見ていて割と真実ではないかと思ったりします。

というよりもそういう自信を持っている人、別の言い方をすると「自己肯定感が高い人」は本当に少ないのかも知れません。

でも突き詰めて考えてみると、物事がうまくいく秘密は、やはりこういうところに本当はあるのではないでしょうか。

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