わずかな違い
勉強の世界では、時に
短期間で、見る見る出来るようになって行く生徒がいます。
逆に、同じような成績を取り続け、
その後次第に出来なくなってしまう生徒もいます。
両者の違いの大きな原因は
学習習慣の悪さであったり
勉強への興味が持てるかどうかであったり
色々なものがありますが
少なくとも
伸びが著しい生徒に共通して
見られる1つの傾向があります。
それは、伸びる生徒は「わずかな違い」を決して軽視しないという点です。
たとえば
問題を間違えた時に、なぜ間違えたかを
「また今度しっかりやればいいや」と言う意識でサッと見て終わりにせず
「とりあえず理解できるまでは終わらない」という感じで確認をしっかりするとか
自分の決めた勉強時間が、あと5分という時に
「今日は早く終わったから終了」とせず
「じゃあ、最後に単語を10個書けるかテストしてみよう」と考えて見るといった具合に
ちょっとしたところで
いつも、最後まで自分の学習のやり方について考えていたりします。
時間にしたら、さほど変わらないのですが
こういう所が、成績向上へつながる重要なポイントになっているようです。
微差の力
有名な実業家の斎藤一人氏のお話の中に
「『微差力を大切にする』ことが、商売で成功するのにはとても有益である」という趣旨の内容があり、
「微差」については、「微差力」(サンマーク出版)という本の著作もされていますが
自分も経営者ですので、この話は大変腑に落ちるところのあるものでした。
人は何かを成功させたいときには、どうしても
「大きな賭け」とか
「イチかバチか」的なチャレンジを考えてしまいがちですが
およそ勝負事でも、商売でも
差が付くのは
ほんのちょっとの違いによることが、実は多いような気がします。
大きなことを考えていると
どうしてもその「微差」が「大差」につながる事に、私たちは気づけないのです。
そしてこれは勉強の世界でも、全く同じだと思います。
微差の積み重ねの威力
数値で表してみましょう。
AとBという二つの選択肢があるとします。
Aを選んだら、その先にCとDというまた二つの選択肢があるとします。
そうやって
二つの選択肢を順に繰り返して、何かを決定していくとします。
最初の選択はたった2通りですが
2回目の選択までの場合の数は 2×2、つまり22=4通りになります。
3回目までだと23=8通り、4回目までだと24=16通り
5回目までで25=32通りです。
私たちは、日々の暮らしの中で常に選択をしています。
朝起きて「すぐベッドから出るか」「しばらくこのままでいるか」
ベッドから出て「まず水を飲むか」「まずトイレに行くか」
水を飲むとして「コップはいつものにするか」「大きいのを使うか」
と言った感じで、
生きるという事は、こういう小さな選択の連続だとも言えます。
上記の計算によれば、
私たちが、わずか5回の判断をする間に
32通りの選択の中から、たった1つのやり方を選んでいることになるわけです。
学習のやり方も色々ありますから
これも選択の連続と言って良いでしょう。
宿題をやるにしても
「教科書を読み、ノートにまとめて、それから問題を順に考えて解いていく」のか
「最初に解説書を読んで頭に入れてから、問題を解き、一通りやってから最後に教科書で確認する」のか
「20の単語を10回ずつ順にノートに書く」のか
「20の単語を1回ずつ書いて、それを20回繰り返す」のか
選択をしていく事になります。
どのような学習にも、時間がかかる上に定着が大変になるやり方と、そうでない合理的なやり方というものが存在します。
そして選択するのは、常に学習者本人です。
その時に
「何となくこれで」と思って、
不合理なやり方を
「いつもこうやっているから」ということで、延々と繰り返すのと
「どれがいいやり方か考えて見よう」と思って
やり方をあれこれ調べてから、
自分に合った合理的な方法を選び、それから始めていくのでは
見た目は大した違いではなくとも、結果としては大違いになるでしょう。
5回で32通りどころではない「大差」がついてくることは、はっきりしています。
「微差」の積み重ねの威力は、思っている以上に大きいのです。
勉強は、特に積み重ねがモノを言う世界です。
だとすれば
「微差」にこだわらない手はありませんね。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。