コンフォートゾーン
私たちは誰でも「居心地の良い場所、空間、習慣」というような
日々の生活で気楽にいられる世界ともいえるものを持っています。
脳科学の世界では、このような世界のことをコンフォートゾーンと呼びます。
これは物理的な空間を指すのではありません。
たとえば
「責任ばかり増えてメリットが少ないから、出世なんかできればしたくない」という考えを持っている会社員が
ある時抜擢されて部長になったとします。
元々のびのびと仕事をしていたため、発想力があり
また明るく他の社員にも「無理せずやろうよ」などと言ったりして、現代的な意味での人望も高かったというのが理由でした。
しかし、いつもは定刻に仕事を切り上げて
本屋に寄ったりして早い時間に帰宅出来て、家族だんらんをしていたのに
部下がなかなか思うように動いてくれず、連日深夜まで残務をこなさなくてはいけくなり、
これまでとは違う過大な責任を感じる毎日の中で
彼のコンフォートゾーンの前提でもあった日々の生活パターンは崩れ、
これまでは、責任を負わず気楽に仕事ができるということをむしろ「快」としていたのに
それすらも困難になった彼は、次第に眉間にしわを寄せてイライラするようになります。
ミスも続発します。
そして時に結果として、想像以上に結果を出すことができなくなってしまったりするのです。
こういう場合にはコンフォートゾーンと現在の状況が、あまりにかけ離れてしまったために、潜在意識が元のゾーンに戻そうとしていることがあると言われています。
潜在意識があなたを守る
潜在意識についての研究は日進月歩で進んでいるようですが
まだわからない部分もたくさんあります。
でも潜在意識をうまく活用できるようになれば
様々な面で大成功を収めることも可能ではないかと言われています。
コンフォートゾーンに人がいつも戻ろうとしてしまうのも、この潜在意識の力が大きくかかわっているようです。
では、どうすればいいのでしょうか。
潜在意識は、時に人を失敗に招く原因にもなりますが、それはあなた自身を守ろうとしている場合がほとんどのようです。
たとえば上記の例でいえば
新しい環境に置かれている本人を、もとの自分自身が「快」を感じて暮らせる場所に戻してあげようとしているのです。
だとすれば、結論は簡単です。
コンフォートゾーン自体を動かすしかありません。
「引き寄せ」はこの理屈から主張されている
最近流行の「引き寄せ」の法則には
実はこのような考え方が背景にあります。
「自分には数学のテストで100点なんてとれるわけはない。せいぜい60点」
そう心の底から思って学習をしていて100点が偶然とれる可能性はごくわずかです。
それは60点程度を取っているのを当然と感じてしまっていて、そこがコンフォートゾーン化しているからです。
では「100点を取るぞ。頑張るぞ」と思えばどうでしょうか。
もちろんどの場合も、それに合わせた努力をしていることが前提の話ですが
この場合には100点を取れる可能性は出てきます。
しかし、これだけではその次も100点を取れるかと言うと、それはどうかわかりません。
本人の潜在意識に「60点の実力しかないが、頑張ればたまに高得点も取れるかも」という意識が刷り込まれているからです。
そういう働きがあって、100点の次は40点くらいになってしまうことがあるかも知れません。
事実急に高得点を取った生徒は、多くの場合その次にかなりの得点低下を生じる傾向があります。
ではどうすればいいかと言うと
「自分は高得点を取れる人間」
「取れて当たり前」
「今取れていないのはたまたまやり方がまずかっただけだから、修正すればずっと100点」
このような意識を持てばよいのです。
簡単にいうと「根拠のない自信」です。
しかしテストの世界では特に「根拠のない自信」と「根拠になる猛烈な努力」の組み合わせが結果を出すことが多いように思います。
努力をたくさん重ねても、現場で得点を取れない生徒の多くが
「努力をしたが果たして自分などに高得点が取れるだろうか」
という不安と疑問を持っていることは明らかです。
だからアウトプット時に、意外に役に立つのは「根拠のない自信」であって
それが今回のコンフォートゾーンの話ともつながるのです。
自分の意識がどのようなものになっているのか、一度振り返ってみるのも良いかと思います。
今後も皆さんのお役に立ち情報をアップしていきます。