捕らぬ狸(たぬき)の皮算用
「捕らぬ狸の皮算用」ということわざがあります。
狸の毛皮は昔から高級品で、また筆なども作られる上、よく民話などに出てくる「狸汁」などもあることから狸の狩猟は盛んでした。
今でも田舎では時々見かけます。
つい先日も道を渡っている狸をみてびっくりしたことがありましたが
狸は鳥獣保護管理法で、許可のない捕獲が禁止されているので、捕獲する場合には普通業者に捕獲を頼むようです。
農作物の被害などもあるようなので、狸を見て単に「かわいい」とばかり言ってもいられないですね。
昔の人はお金になるため狸をたくさん獲りたかったので、実際に獲る前からその皮を売って儲ける計算をしていることもあったのでしょう。
そこから来たことわざがこの「捕らぬ狸の…」です。
意味は「まだはっきりわからない不確かなものに期待することや計画をすること」で、「そのことが無駄である」「まずやることをやりなさい」という趣旨を持っていることわざです。
Catch your bear before you sell its skin.
英語のことわざで、これにかなり近いものがあります。
こんなことわざです。
Catch your bear before you sell its skin.
直訳すると、「あなたが熊の皮を売る前に、熊を捕まえよ」ですが
狸が熊になっているだけでほぼ同じですね。
文化の違いがあるにしても
「熊」と「狸」しか違わないこんなことわざが、日本と海外にあるというのは
実に面白いことです。
どこの人であっても、やはり人間はみんな「稼ぎたい」という欲望があって
そんなことから「まず先に物(お金)を手に入れないと…」という考え方も同じなんでしょう。
こんなちょっとした和英のことわざ比較ですが
人間の本質というものを示唆してくれて、実に興味深いです。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしてきます。