定期テストと実力テスト
中学校でも高校でもテストと言うと大きく分けて、実力をそのまま試すタイプの「実力テスト」「学力診断テスト」のようなものと、
テスト範囲があらかじめ決まっていて、テスト週間が設けられてテストが行われる「定期テスト」というものがあります。「定期テスト」には「中間テスト」や「期末テスト」などの名称がつけられていることが多いです。
どちらも生徒の実力を試すという点では同じですが、受験する生徒の成績は色々です。
両方のタイプが得意という生徒もいますが、だいたいどちらかが得意という場合が多いように思います。
定期テストが得意というタイプは、準備と対策で実力以上の力を発揮できているという事になると思いますので、むしろよい方向性なのですが(もちろん実力を上げるというテーマはありますが)
実力テストが得意で定期テストが振るわないという生徒については、一度テスト対策の準備の仕方を見直す必要があると思います。
成績が上がらない原因NO,1は「準備の悪さ」
テスト前の対策学習は、合理的に進めることが非常に重要ですが、これを上手くできる生徒は実際には少ないと思います。
その一番大きな原因は「すべてをやろうとする」ことにあります。
気持ちはわかります。 今度のテストでは今までにない良い成績を取ってと考えるのが普通で、そうすると「すべてのことを対策しなくては」と思ってしまうのが人情です。
しかし、今の学校のテスト前の対策期間の短さやカリキュラムとの兼ね合いから考えると、直前の短期ですべてを回すことは、なかなか容易ではありません。
現在一番合理的な方法は、普段の学習で荒削りに自分の弱点をつかんでおき、直前にそこを中心として対策を組み立てるというやり方でしょう。
これは暗記項目も同じで、直前に全部短期に覚えこむ戦略ではなく、普段ある程度記憶を作りあげておいて、その上に直前期の暗記をのせていくというのがいいと思います。
定期テストが実力テストより振るわないタイプ
定期テストの方が実力テストより成績が悪い生徒は多いですが、やはり見ていると、良くない準備のやり方をしていることが多いです。
期日があってそれに間に合うように準備をするという能力は、社会に出ても重要になってくるので、やり方をマスターしていくことはとても重要です。
与えられた期間と自分のできることを比較して、ゴールから逆算してプランを立てるということを練習する必要があります。
「定期テストが苦手、実力テストよりできない」という症状が続く生徒は、まず「自分の準備に問題がないだろうか?」という疑問を持たなくてはいけません。
そのためには客観的に自分がいったい何をすればいいのかを知ることが重要です。
そしてそれにはまず、対策が必要な所がどこかを自分で気づくことが大切になってきます。
「対策の必要な所がどこなのか」に気づく方法
対策の上手な生徒は、自分から「ここが心配なのでこういうプリントを欲しい」というようなことを言ってくることが多いです。
これは、自分がやらないとまずい所がどこなのかを、その生徒がよく把握できているということだと思います。
しかし対策がうまくいかない生徒は、とにかく網羅して全部やろうとする傾向が強く見られます。
それで直前になってちょっと苦手そうなところをやらせると全くできず、「準備したのか」と聞いてみると、
それまで他の自分ができるようなところをたくさんやっていて、肝心の弱点部分の準備がほぼされていなかったりします。
ではどうすればこんな事態を防止して、自分の準備不足の所に気づくことができるようになるでしょうか?
実は、これには良い確認方法があります。
たとえばテストで自分が全体で7割くらいの得点(100点満点の5教科であれば350点くらい)をいつも取っているとします。
そういう生徒であれば、5教科でもしもテストになった場合に、7割取れそうにないのはどの科目か思い浮かべます。
全科目になってももちろん構いません。
それで7割取れないのは、どの単元が点が取れそうにないからなのか具体的に科目ごと順に想像してみるのです。
このやり方で想像をしてみると、意外に自分が出来ないところが全部というわけではないこと、
苦手な所と言っても「まだ暗記できてないだけだからできない気がする」のか
それとも「考え方がよくわからないからできない気がする」のかといったことが、次々と判明してきます。
こうして、自分が準備しなくてはいけない箇所がはっきりしてきます。
またテストから逆算して何をやっていくべきかも見えてきます。対策の道筋が立ってくるわけです。
もし自分が5割くらいしかとれなければ、基準を5割にすればよいのです。
物事の準備がうまくできる大人や、テスト対策がうまくできる生徒にとっては、意識的かどうかは別として、これは必ずやっている想定シミュレーションですが、
準備がうまくできない生徒は、こういう想定なしに対策を始めてしまっていることが非常に多いのです。
漠然と「良い点を取る」という意識だと、意外に「どこが穴なのか」は、やってみないと気付かないことが多いです。
平板にどこもやっていこうとする生徒は、できない単元が途中で出てきて、急にあわててそこをカバーしようとしますが、その時には時間が足りなくなる事態が必ず待っています。
準備が間に合わない生徒は、こういうやり方で失敗をしているのです。
このように、まず最初にどこを押さえるかをしっかり想定して決めることはとても重要です。
そして対策学習の鉄則と言ってもいいですが、「まず苦手なところをやる」ということも大切です。
どうかお試しください。
今後も皆さまのお役に立つ情報をアップしていきます。