【どのくらいの時間?】「小一時間」「小半日」「小半刻」とは?

よく耳にするのに意外に詳しく知らない言葉

 私たちが生活上やあるいは何かを読んだときに、割とよく耳にするのに、実際はどういう意味かを漠然としか知らない事はよくあります。

何となく「こんな感じかな」という感覚で済ませてしまっている場合も多いかと思いますが、ひょっとして正しい意味でなくて取り違えてしまっているという危険もあります。

有名な所では「月極駐車場」は「つきぎめ」駐車場と読み駐車料金を月単位で支払うタイプの駐車場を言いますが、実に多くの人が「読み方を知らない」あるいは「どういう意味か知らない」または「げっきょく」駐車場と読んだりしています。

まあこの場合は知らなくても多分不都合がほぼありませんが・・・

 でもちょっとしている事で得をしたような気分になることってありますね。

今回はそんな言葉を3つご紹介します。

小一時間(こいちじかん)

 ちょっとした時間を表現する時に「小一時間外回りをしてくる」などと言って「一時間」ではなく「小一時間」という言葉を使う事があります。

どうでしょうか。皆さんも無意識に使っていたりしませんか?

大部分の人が「だいたい一時間くらい」という意味で使っていると思いますが、実はそれで正解です。

小一時間は「約一時間」または「一時間弱」という意味の言葉です。具体的なイメージとしては50分~1時間10分位の間位という事になるでしょうか。

 

小半刻(こはんとき)・小半日(こはんにち)

でもなぜこんな表現を使うようになったのでしょうか?

江戸時代までは、ご存じのように時間の数え方は「時間」ではなく「刻=とき」が使われていました。日の出から日没までを6等分したのが「(昼の)一刻(いっとき)」です。同様に日没から日の出までを6等分したのが「(夜の)一刻」ということになります。

 そしてよく時代劇などで出てくる「子の刻(ねのこく)」「丑の刻(うしのこく)」などという時間ごとの呼び名もあります(こちらは「こく」と読みます)

一日を12等分することになるので、今の24時間と比べると1つの単位時間が倍になりますから、一刻はだいたい2時間ということになりますが、さすがにそれだけでは不便ですね。

それで一刻の半分の時間を設けて「半刻(はんとき)」という時間の単位がありました(約1時間です)また、さらにその半分を「小半刻(こはんとき)」と呼んでいました(約30分間)

「小一時間」はこの「小半刻」が現代の時間単位の「時間」に置き換えられたことから生まれた言葉のようです。

 ただ、そうすると1時間の半分だから30分になりそうですが、実際には現在は上記のように「約1時間」あるいは「1時間弱」という事で使われています。

同じような趣旨で、「約半日」または「半日ちかく」という意味「小半日(こはんにち)」という言葉が現代では使われています。

「今日の作業をするのに小半日もかかってしまった」というような使い方をしますが、小一時間よりはあまり使わないかもしれません。

ちょっとした言葉にもこんな風に歴史があるというのは、とても興味深いですね。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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