【同訓異字】どっちを使うの?「生かす」と「活かす」

同訓異字

 前回「生まれる」と「産まれる」の違いについて記事を書きました。

この「生」の訓読みについては、よく似たものが別にもあります。

訓読みが同じで意味が違うので同訓異字または異字同訓などと言われるものですが、よくどちらを書いたらいいか迷うものとして「生かす」と「活かす」の使い分けというのがあります。

 たとえば「彼のキャラクターをいかす」はどちらかと言われたら、あなたならどう書きますか?

「生かす」

本来「生かす」は「命を保たせる」という意味の場合に使われる漢字です。

なのでたとえば「生かすも殺すもその判断次第」と言うような場合に使われます。

「釣った魚を水槽で生かしておく」というような場合もそうですね。

しかし実際には公的な文書やメディアなどでは、「生かす」はこのような場合以外も使われています。

それはこれが常用漢字であるためです。「活かす」が常用外とされているためにそうなっていますが、これが私たちが混乱をしている元だと思います。

そもそも常用漢字については、漢字を学ぶ人にとっては難字や旧字を覚えなくてよくなるので、その意味ではわかりやすい制度ではありますが、

私たちの歴史ある文化である漢字を、勝手に今の国が「これを使いなさい」と指定しているようなものですから、この区別でかえってわからなくなってしまうというのも困りものな気がしています。

「活かす」

「活かす」はその文字の通り「活用する効果的に利用する」という意味の場合に用いられます。

「彼の経験を活かす」「彼女の能力を活かす」というような場合は本来はこれを使います。

ただこちらは常用外漢字のため、代わりに「生かす」を書いても間違いではないとされています。

よく常用外漢字を使うと「間違い」と言うコメントを見かけますが、「必ず常用漢字を使いなさい」という試験でない限り、「間違い」というのは、その判断が間違いだと思います。

歴史があってその漢字が使われてきたのですから、たかだか現代の国のお役人が決めた事で漢字が間違いにされるというなら、それは文化の封殺であり大変なことですから・・・

 就職試験で「私の経験を活かして頑張ります」と書いて「君ねえ、常用外漢字を使うようでは困るよ。間違いだよ」なんて言う試験官がいるとは思えません。

もしいたらそんな会社はこちらから願い下げです。

何にしても漢字には色々な秘密があって面白いですね。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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