【漢文の正体】漢文の訓読は外国語学習。じゃあ漢作文ってあるのかな?

漢文って何?

 中学高校で漢文の学習をしますが、生徒たちは「古典の学習」というくくりで漢文を学習するために、何となく漢文を日本語の古典学習と思って学び始めます。

しかし学習が進むと、中国の歴史的な作品が次々と登場してきて、「あれ?漢文って外国からきたものだったのかな。そういえばレ点とか訓読文もあるし・・・」と言う風にようやく漢文が外国語(中国古典語)翻訳の学習であることに気がつくのです。

いや最後まで気づかない人も多いかも知れません。

何にしても我が国の学習指導は、一番の大本からのそもそも論というのを後回しにしがちな傾向があります。漢文の学習の最初に出てくるのが、まずレ点を覚えてということからもそれが感じられます。

 教科書の導入で紹介はもちろんされていますが、もっと大々的に「漢文とは何か」という事をしっかり示すと良いと感じています。

 これは英語でも同じです。英語がゲルマン系言語の流れとラテン語や古典ギリシャ語などからの要素も受け継いだ世界言語であるということを(過去に記事を上げているので良ければお読みください)、長く英語を学習していても知らない人がほとんどだと思います。

英単語の語尾や接頭辞に一定の決まりがあることなどともつながってくるので、言語の背景を知っておくことは意外な所で役立つことがあります。

 学校での学習でも、今から学習する言葉の背景ぐらいは知っていてもよさそうではあります。敵の正体を知らずして攻略などできるはずもありませんし・・・。

漢文の訓読

 漢文は漢字だけで書かれている中国の古典的な文章を日本語に直したり、意味を明らかにする学習です。

たとえば「我読書」という形で漢字のみの表記がされている漢文があったとします。

漢文学習ではこのような素の漢字だけの文を白文と呼びます。

これに皆さんご存じのレ点(訓読点)などを付けて日本語のかな交じり文にして読めるようにすることを訓読と言います。

我読書のような形にして「我書を読む」と変えて読めるようにするのです。

 英語学習ではそういう作業がありませんが、漢文の場合にこれが必要なのは、漢文は漢字を使っていて、漢字は日本人にもわかるので、それを利用して日本語にあった形で翻訳しやすくしたものだと思われます。

色々な学者が研究をしているようですが、飛鳥時代くらいにはすでに訓読は行われていたようです。

日本人が新しいものを吸収して自分たちの文化に上手く取り入れる能力は大したものだと思います。

漢文は英語と主語動詞の並びが似ている

 私たちの使っている日本語と言うのは世界的に見ても特殊な言語のようです。

色々な面で特徴があるのですが、英語や中国語などと大きく異なるのは主語と動詞の並びではないかと思います。

たとえば「私は本を読む」は、英語では I read a book. 漢文(中国古典)では 我読書 と書くわけですが、お気づきのように日本語だけ「主語→目的語→動詞」の順になっています。

 以下は私見になりますが、日本では、人々の中に争いがあるにしても、大陸での歴史的な戦争の繰り返しなどとは異なり、割と穏やかな和の精神の中での暮らしが長く続いてきたという事があると思います。

島国国家であるという事もありますが、日本人の争いを好まない気質というものも大きい気がします。

そういう環境ですから言語においても、悠長に目的語を先に述べていても危険はなかったのではないかと思います。

これに対して大陸国家の人々においては、少し誇張して言えば、大事な事を先に説明しないと「ピストルでズドン」ということもあるわけで、まず「誰がどうするを言う」となったのではないかと思います。

これは禁止の命令文などを見ると顕著です。

日本語では「君は走ってはダメだよ」などという禁止の命令もありますが、英語ではDon’t run.の2語です。総じて要点を先に述べる形式になっているのです。

漢文も同様なのだと思います。

外国語なら漢作文ってないの?

 ここで素朴な疑問ですが、英語学習では英作文がありましたが、漢文においては漢作文は学習しません。訓読と翻訳だけを学習しますので、同じ外国語学習としてちょっと違う気もします。

 これは漢文が現代中国語の翻訳ではないということが関係しているのではないかと思います。日本の古文学習でも、「けふ神社に詣でたり(今日神社へいったよ)」なんて作文をしたことはないですよね。

それと同じです。

ただ色々調べていたら明治時代に文豪森鴎外はドイツ語の講義を漢文でノートをとっていたという話が出ていました。

さすがに文豪はやることが違いますが、到底常人にできることではありませんね。

漢文学習もこういう視点で見てみると、ちょっと面白くなってきます。ぜひ参考にしてみてください。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

 


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