【アカシックレコードの正体】集合的無意識の中にあるかも知れない「無限の情報」

集合的無意識

スイスの精神科医で心理学者のカール・グスタフ・ユングが提唱した分析心理学の概念として集合的無意識というものがあります。

これは人間の深層に存在する、個々人の実際の経験を越えた多くの人(最大では人類全部)に共通した先天的な精神領域で、普遍的無意識とも呼ばれています。個人ごとの個人的無意識に対立する概念です。

大きく分けて人の精神領域には、

意識顕在意識・consciousness)」

個人的無意識潜在意識・personal unconscious)」

集合的無意識(collective unconscious)」の3つの段階があるとされています。

 集合的無意識というものは、人が誰かから学んだりすることによって個人的に獲得されたものではなく、最初から備わっている(心の奥底にある?)もので、それは一度も意識(顕在化)されたこともないというのが特徴です。

人間の精神的活動がすべて大脳皮質の働きによるものであるとすると、このような集合的無意識も当然遺伝によって親から子へ伝承されたことになります。

しかしそうではなく、最初から無意識と言うものが他人と奥底でつながっているのであれば、遺伝ではなく元から集合的無意識部分で人は相互につながっているということになるかと思います。

「そんなことは不可能である。なぜなら人が生まれるということは、生命が単体で誕生することだから、他人と根底でつながっているという事は物理的に無理だからである」おそらく普通の科学者ならそう考えることでしょう。

 しかし、あながちそうとも言い切れないかも知れません。

 たとえば、この世界が「コンピューターゲームのようなシミュレーションに過ぎない」という、最近広く主張され始めている考え方(シミュレーション仮説)に沿って考えていけば、そういう集合的無意識が仮想世界のデータベースに組み込まれているということも十分にあり得るからです。

そしてプレイヤー(私たち人間)が普段アクセスができないようになっていますが、何かの行動をする際にそれを行うガイドラインとして、言ってみれば「バックグラウンドで動作している」ということも可能だからです。

 こう考えていくと、この世界が誰かが創ったデジタル的な仮想現実空間であると考えることは、これまでよくわからなかった意識のことや脳科学的な問題さえもすっきりと解決してくれるように感じるのは私だけでしょうか。

ユングの考えた意識・無意識のイメージについては「意識は氷山の海面に出ている一角であり、潜在意識はその氷山の海中部分で、海面に出ている部分より非常に大きな割合を示している」という説明がされることがありますが、

その中の、他人ともつながる集合的無意識は人類の行動原理に大きな影響を及ぼしていると言えます。 

アカシックレコード

アカシックレコード(akashic records)というのは、この世界の始まりからの宇宙のすべての出来事やあらゆる人の思考や感情などの全部が記録されているという世界記憶を言います。

 以前もご紹介しましたが、アカシックレコードは科学的に証明されているものではありません。しかしスピリチュアル界隈では大変有名な言葉です。

「アカシック」はサンスクリット語の「阿迦奢(アーカーシャ)=空間・虚空」を指すとされます。イメージとしては天空に浮かぶ宇宙のすべてが記録されている図書館という感じでしょうか。

 一説によると、量子力学ではその領域が小さくなるほど空間が保有するエネルギーの大きさが大きくなるという考え方があり、いわゆる真空には莫大なエネルギーが秘められているとも言われています。

「虚空」が「アカシック」であるとすれば、ひょっとしたらコンピューターのデータのように宇宙の真空空間やあらゆる空間がこれまでの全記憶を保存しているのかも知れないという事を前回お伝えしました。

アカシックレコードはどこにあるのか?

 では宇宙が始まって以来のすべての情報が蓄積されていて引き出せるようになっているという、このアカシックレコードは、一体どこにあるのでしょうか?

イメージとしては「虚空」と言うほどですから、空に浮かんでいるとか宇宙にあるというイメージを抱く人が多いかも知れませんが、果たしてそうでしょうか。

 人が個人だけで経験した事実や考えた事を超えるデータベースがあって、それが個人の意識や知覚の奥底に意識されることはないが眠っているというのがアカシックレコードとしたとき、ふと湧き上がってくる一つの考えがあります。

それはアカシックレコードというものは、先ほど書いた集合的無意識と同じものではないかという考えです。

アカシックレコードについては、あくまで想像上の産物であり、私たちがアクセスすることはできませんが、データベース的な発想をすると集合的無意識と極めて似た存在であることに気が付くからです。

 アカシックレコードの伝説によると、ごく最近でないと意味がわからない高度な数式をはるか昔の人が意味も分からず書いていたというような事例があります。

 それを知って人々が考えたのは、どこかにあるアカシックレコードを実際に見て情報を得た人がいるのではないかという事ですが、実はそうではなく、自分の中にある集合的無意識に、何かのきっかけでアクセスしてしまったというのが、真実なのかも知れません。

 有名なニコラ・テスラの発明について、アカシックレコードとの関連があるのではないかという都市伝説がありますが、彼が次々に人々が全く見たこともない新しい原理を唱えだしたのは、かなり突然の事だったということを耳にしたことがあります。

この噂を信じると、「無限の情報」というものが、何か無意識の中で彼らの頭脳に降りてくるものなのかも知れません。この話を聞くと、どこかの空間にアクセスしたと言うよりは、自分の中で「突然知った」という方が自然に感じられます。

 この広大な宇宙をすべて知り尽くすにはまだまだ科学の発展を待たなくてはなりませんが、まず一番身近な私たちの心の中、精神領域を探索してその仕組みを知ることも大切です。

そういう研究こそこれからの科学者が真摯に取り組むべき課題ではないかと思います。人類の幸福をそういうものへのアクセスによって導くことも十分可能だからです。

 昨今メディアで活躍する、私たち素人でもおかしいと思えるような偽科学を臆面もなく披露する御用学者たちのことは放っておいて、私たちは堅実に未来へ向けてこういう真の科学を進めていくべきだと私は思います。

今後もこのような話題についても記事をアップしていきます。

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