【考える事は同じ】和歌から生まれた「急がば回れ」は英語にもあった!

急がば回れ

 今日見かけた光景です。

何か大急ぎの様子の中年の男性が、道を慌てて渡ろうとしていました。

しかしその人はわずか先にある横断歩道までは行こうとせず、手前の何もないところで渡ろうとして車の流れが止むのをまっているのです。

当然のことながら、車は一台も停まらず、その人の前を次々に通り過ぎていきます。

他人事ながら「横断歩道まで行けば誰か停まってくれるだろうに、なぜあんな手前で渡ろうとしているのだろうか」と不思議に思いました。

おそらく相当焦っていたのでしょう。

でもこういうのを「急がば回れ」って言うのだという事を、改めて思いました。

その方には悪いのですが、ほんの10メートル歩いて横断歩道の所に立てばすぐ渡れるのにそれをしないために、かえって時間がかかってしまっている、見ている方としては、そんなちょっと面白いシーンでした。

和歌が由来

 「急がば回れ」はあまりにポピュラーなことわざなので皆さんよくご存じかと思いますが、「危険な近道を行くよりも、安全確実な遠回りをした方がかえって早く着く」という意味のことわざです。

元々は距離的な事を言っていることわざですが、物事をする場合の例えとしても使われます。「あんまり慌てて仕上げず、やるべきことをしっかりやって行こう。ほら『急がば回れ』と言うだろう」というような場面で使われる事の方が実際には多いかもしれません。

物事をする場合のことわざとしては、同様の意味のものとして「急いては事を仕損じる」というのもあります。急いで物事をやるとうまく行かない事が多いものだという意味のことわざです。

 「急がば回れ」は何か最近の言葉と言うようなイメージですが、実は和歌が由来の言葉です。

室町時代後期の連歌師である宗長(そうちょう)の「もののふの 矢橋の船は 速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋」という歌です。

 この頃、現在の滋賀県付近において、東海道で京都へ向かうのには、矢橋の渡しという琵琶湖を横断する渡し舟を使った方が早く到着できたのですが、瀬田を橋を通っていく陸路に比べると、突風などもあり、大変危険な航路と言われていたので、「陸路を回って行った方が良い」と歌われたのです。

 実に状況がよくわかる短歌ですが、もちろんその背景に「何事も急いではいけない」という意味が隠されているのではないかと思います。

英語でも同様の言葉が・・・

 「急がば回れ」には英語でも同じような意味の言葉があります。

Make haste slowly. は「ゆっくりと急げ」という意味の言葉で、何か変な感じですが、慌てて失敗してはいけないという事で「急がば回れ」に似た意味を示しています。

またSlow and steady wins the race.という言葉もあります。これは「遅くて着実な者がレースには勝つ」という意味ですが、まさに「急がば回れ」と同じような内容を言っていますね。

人が考えることと言うのは古今東西、和洋問わず同じような内容になるのだというのが、大変面白いですね。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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