二重スリット実験
最近よく話題になっている量子力学における様々な研究は、私たちに新しい驚きを与え続けています。
「この世界の謎が次々に解明されていくのだろう」という期待を抱かせるのに十分な新事実が発見されています。
たとえば有名な二重スリットの実験があります。
これは物理学で、光路差が光波の整数倍になるかどうかで明線・暗線を観察して考察する「ヤングの光の干渉性の実験」という有名な実験があるのですが、
その光の代わりに電子を使って粒子と波動の二重性を証明した実験です。
量子力学を代表する実験でアメリカの物理学者リチャード・P・ファインマンがこれを「量子力学の精髄」と呼んだことでも有名なものですが、なぜ有名かというと、観察者によって、同じものが波動から粒子へと振る舞いを変えるということが証明されたからです。
「粒子と波動の二重性」を証明したこの実験は、光などが粒子の性質と波の性質の双方を持っていて、誰かが観察すると普段は波にしか過ぎないのに突然粒子として現れる事が分かったため、世界に衝撃を与えたと言われています。
二重スリットの実験は、極端な表現をすると、世界は、私たちが観察していない間はもやもやした形のないものだが、私たちが観察した瞬間に机、花瓶、ねこといった形のあるものになる、というような、「この世界が仮想現実である」という考えにつながる可能性のある実験と言ってよいと思います。
これにとどまらず量子力学は、私たちのまだ知らないこの世界の仕組みを解明するものとして大いに期待されています。従来のニュートン物理学ではわからなかったことが次々とわかっていくのは本当に驚きです。
量子もつれ
二重スリット実験と並んで非常に有名なのが量子もつれ現象です。
量子もつれというのは、わかりやすく言うとABといううペアになった量子(極小の粒子のこと)を仮に宇宙の端と端に置いたとしたときに、「Aが右回転をすると即時にペアとなったBが左回転をして対応する」というような相関性をもっているということを言います。
これはあくまで素人でもわかるように説明されたモデルですので、そこはご了承ください。科学的な定義における量子もつれ( quantum entanglement)とは、量子多体系において現れる古典確率では説明できない相関やそれに関わる現象を指し、量子エンタングルメントとも呼ばれる関連状態を言いますが、このようなエンタングル状態が持っている非局所的な相関という性質の一例が、上記に挙げた例になります。
難しい話はさておき、この例に見られるような性質が認められたというのは非常に凄い事です。
なぜかと言うと、光の速度など完全に超越して「情報」というものが宇宙の端から端であっても瞬時に伝達されるということが分かったからです。
よくスタートレックのようなSF映画で「転送」と言うのが登場して、ステージ上の人がデータとして別の所へ送信されて、その人がその別の場所に現れるというシーンがありますが、もし人間を「情報」というものに完全に変換することができれば、ああいうこともできるのかもしれません。いや、量子もつれという事で考えれば、転送ではなく向こうにも同じ人がいるということになるでしょうか。
完全に科学の革命と言うようなものが起こっているのです。もちろんこういう話はなかなかメディアからは流れてこないのでご存じでない方も多いかも知れません。
量子力学の長い歴史
量子力学は相当昔から研究が進んでいる学問ですが、私もネットであれこれ検索する前はほどんど知りませんでした。
すでに1838年のファラデーの陰極線の発見にその発端が見られ、1870年~1900年にはこの分野で有名なルードヴィッヒ・ボルツマンやマックス・プランクによる様々な量子仮説が発表されています。
1900年と言えば伊藤博文の立憲政友会ができた年ですから、本当に量子力学は昔からある学問なのです。ニュートン物理学やアインシュタインの研究が主流の世の中だったので、日の目を浴びるまで時間がかかったという事もあるかも知れませんが、科学においてもメディアの取り上げ方ひとつで何が正しいかの選別がされてしまっている傾向が確かにあるように思います。
人の意識と量子もつれ
さて今回の本題の「人の意識と量子もつれ」のお話になります。
量子もつれと意識の関係については、イギリスのノーベル物理学賞受賞学者ロジャー・ペンローズとアメリカの医学博士スチュワート・ハメロフの量子脳理論が特に有名です。
それによると、意識は大脳のニューロンにより物理的に生じているのではなく、何らかの量子過程から生じているとの推測がされています。彼らの「Orch OR 理論」によれば、人の細胞内にあるマイクロチューブル(微小管のこと)という場所が、この量子過程が起こりやすい構造をしているため、ここを介して何かが起こっているという事らしいです。
そしてここからは私の推論になりますが、量子もつれという事が実際に証明されているということであれば、人の細胞内のマイクロチューブルに量子があれば、その量子とペアになっている量子がどこか(たとえば宇宙の端や別次元の世界等々)にあったら、「意識はその「どこか」に存在していて、脳内にはない」ということで論理的整合性が取れてしまいます。
一見荒唐無稽な話のように思いますが、量子もつれや量子脳理論が詳しく論証されある程度の証明が進んでいることと、意識に関しての従来の脳物理学が神経細胞的な方向から意識の意味や存在の仕方をいまだ証明できていないことを照合するならば、この発想はかなり合理的だと思います。
少し話が難しくなりました。
この話をもっと簡単に言いますね。つまり、人の意識が脳内にないとすると「人の身体が死亡によって機能を停止しても意識は存在し続ける」という話になります。
日本人は無神論者が多く、「人は死ねばその後はない」と言い切る人が多いのですが、科学的には、死後の世界が存続するかもしれないという論証が大変たくさん登場してきています。
そうだとすれば、私たちの人生や生き方に対する考え方も大きく変わってくるのではないかと思います。
私自身はずいぶん前から死後の世界も輪廻転生も信じてきているので、「当たり前でしょう」という感じですが、そうでない方も、この理論を聞いてちょっと考えてみるのも面白いかもしれませんよ。
先があると思えば、自分を磨き向上させていこうとする努力にもより力が入るというものです。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしてきます。