面白くないことをやり続けるのは誰もがつらい。
勉強が非常にできる生徒で、かつ成績が順調に伸びる生徒には、ある共通点があります。
それは勉強が少なくとも「嫌いではない」ということです。
ここで「好き」と書かないのには理由があります。
自分では勉強に興味があり、実質好きでも「勉強が好き」と言うのは、中学生高校生は抵抗を持つことが多いので
たぶん聞いても「好きじゃない」というからです。
でも実際は大半の生徒が、勉強が大好きです。
「理解できる楽しさ」「新しいことを知る喜び」「論理がつながる快感」生徒の顔を見ていれば、言わなくてもわかります。
これに対して、勉強がはっきり「嫌い」「イヤ」「苦痛」ということを言う生徒は、順調にいっていないことは間違いがありません。
超絶シンプルな真実
このことから何がわかるでしょうか。話は超絶にシンプルだと思います。
「勉強が好きならできるようになる」という真実です。
もちろん、どれくらいできるようになるかには個人差もあり、そのスピードも違うでしょう。
しかし、勉強が好きという生徒は、いずれ必ず実力を伸ばしていきます。
これは考えて見れば当たり前のことです。
たとえば、何か自分が夢中になれるゲームがあったとします。
毎日何時間でもやります。もちろん苦痛などありません。
どんなに困難な場面もそれをクリアするのが楽しく、時間など忘れてしまいます。
その結果、そのゲームをやる能力はぐんぐん伸びます。
この間、本人はつらい思いや苦痛など全く感じることがありません。
優秀なスポーツ選手が、周りから見ればとてつもない大変なハードトレーニングをしているのを見て
私たちは「辛いんだろうな」とつい思いますが、実は楽しくて楽しく仕方ないという場合もよくあるのだと思います。
簡単に言えば「好きでやっている事は少々辛くても本当の意味で『辛い』わけではない」という事でしょう。
勉強でも同じことが言えます。
科学の世界で何か発見をしたり発明をした人には、学問に没入して、寝食を忘れて研究を続けた人が多くいますが
学生時代から、三度の飯より勉強が好きというようなタイプも多かったようです。
「好きこそ物の上手なれ」とはよく言ったものです。
勉強を得意にする最短の方法
このようなことを考えると、勉強を得意にして成績をぐんぐん伸ばす最短の方法は
「その科目を好きになること」だと言えます。
嫌々やっていてもモチベーションに限界がある限り、劇的な伸びまではなかなか難しいと思いますが、好きになってしまえば違います。
だからまず「勉強を好きになる」このことを考える必要があります。
ただ学校の先生によって、指導の内容は大きく違います。
ある先生によって勉強が急に楽しくなることもあれば、逆に大嫌いにさせられてしまうこともあります。
また、宿題が多すぎたり、テストが頻繁にあることなど、勉強を遠ざけてしまうメンタルブロックとなりうるものもたくさんあります。
だから勉強を楽しく感じ続けるということが難しくなっているのだと思います。
ただ一つ言えることは、「やみくもにたくさん事務的にやっていくことを勉強と考えるのはやめた方がよい」ということです。
楽しさも感じないままどんどん進んでも、良いことはありません。
まずそれがどんな内容なのか、何に役に立つのか、どうしてそれを考える必要があるのかといった一番導入のところで、
自分の頭でしっかり考える事が有益だと思います。
そういう発想こそ、勉強を楽しく感じるためのスタートラインになると思います。
今の教育の制度自体がそもそもそういう意味では限界を迎えているとも思えます。
およそ生物のことなら何でも分かるし天才的な発想や能力を持つ生徒が
英単語が書けないだけで大学はおろか目指す高校へも進学できない。
文学的に鋭敏な感覚を持ち素晴らしい文章を書く人が、方程式が苦手なだけで目指す文学部には行けない。
明治維新以来我が国の教育は、良き兵隊となる臣民を育成すること、そして富国強兵を成し遂げられる民を育てる事からスタートして、
敗戦後はよき官僚やビジネスマンを育成すること、そのために何か1つ優れた点がある人間よりもできるだけオールマイティーにこなすことのできる人材を育成することを目標としてきました。
でもその結果が今の日本の状況です。与えられたことをそこからはみ出すことなく最低限にこなしていくという事で良しとする社会状況は、良くも悪くもそういう教育の結果生じてきたものだと言えます。
その中では「辛いことも我慢して勉強して乗り越える」という事が、一つの美徳とされてきたという背景があり、
その結果として勉強嫌いの生徒だらけという状況になっているのだと思います。
現状の中でじゃあ「数学はやらなくてよい」という事が通るかと言えば、それは難しいでしょう。進学を前提とすれば制度の中でそういう選択を取れば、それはレールからは外れることになってしまいます。
しかし、少なくとも「好きな事」をもっと積極的にやっていく姿勢を持ち、苦手な科目でも「全部ダメ」とは決めつけないようにして、自分が興味を持てる所だけでも集中的にやっていくと、意外にもそこで生じた「好き」が広がっていくことも多いのではないでしょうか。
何事も今ある環境を全部否定せず、その中でできるベターな方法を探していくということは意義があることです。
まずは「好き」を見つけてみてください。
話はそこからです。
今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。