【不協和音が言葉に】「とんてんかん」と「とんちんかん」

頓珍漢(とんちんかん)

 よく質問に対して的外れな返事をされたときに「とんちんかんな返事をして」と批判したりしますが、

頓珍漢(とんちんかん)」は言動が的外れであったり、辻褄の合わない事を言ったりすることを言います。漢字は単に当て字のようです。

品詞的に言うと「漢」と言う言葉は「おとこ」とも読み「~のような人物」という意味を示す場合もあるため、「彼はまるで頓珍漢」と言うように名詞として使うこともありますが

多くは「頓珍漢な返事」と言うように様子を表す用言の形容動詞として使われる言葉です。

 さてこの「とんちんかん」ですが、一体どうしてこんな変な言い回しの言葉ができたのでしょうか?

頓智(とんち・機知に富んだ答え)の「頓」と珍妙(ちんみょう・変わっていて珍しいこと)の「珍」が合わさっていて、漢字も何だか面白げなイメージですね。

とんてんかん

 今ではあまり見かけなくなってしまいましたが、昔は鍛冶屋さんという職業に割と多くの人が従事していました。

刃物、工具、農具などの製造や修理をする仕事で、時代劇などで出てくる刀鍛冶がイメージとしてはなじみがあるかと思います。

一人の職人が高温に熱した刀を打って、次にもう一人の職人が槌を入れ(これを相槌(あいづち)と言います)刀を鍛錬して仕上げていく作業です。

槌(つち)はたたくための工具の名前です。金槌(かなづち)もその一種です。

現代でも包丁鍛冶職人、刀鍛冶職人、鋏(はさみ)鍛冶職人、家具やオブジェなどを制作する鍛冶職人、工事現場の鍛冶工などに分かれて職業として受け継がれているようです。

 話が少し離れてしまいました。

表題の「とんてんかん」というのは、この刀鍛冶で二人の職人のタイミングが合った時の擬音語で、「とんーてんーかん」という音が聞こえてくることから、通常にもそういう音が副詞として通用するようになったのです。

金槌をたたくときのかん高く良く響く音が「とんてんかん」ということになります。

とんちんかん

 「とんてんかん」がぴったり息の合った職人のたたく音だとすると

「とんちんかん」はちょっとそれとずれた音という事になります。

つまりぴったり合っていなくて、的外れな感じであるということでこの言葉が生まれたとされています。

ただ実際には「とんちんかん」は聞いたことがあっても、正しい音が「とんてんかん」であるという事は知らなかった人の方が多かったのではないでしょうか。

 何気なく使っている言葉の語源というものは、意外な所にあるものですね。

また皆様のお役に立つ情報をアップしてまいります。

 


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