【これ何て読むの?】「一寸した事も確りやりましょう」

よく使う言葉なのに漢字を知らない

 私たちが日常生活で使っている言葉の中で、いつもひらがなで書かれている言葉と言うのは多いと思います。

「やはり(矢張り)」とか「ちょうど(丁度)」というような副詞系の言葉は漢字を使わないで書かれることがほとんどです。

 漢字でこういう言葉がかいてあると漢文調で堅い気がしますので、私などはひらがなの方がしっくりきます。

しかし人によっては漢字で書く人もいるかと思います。これは好き好きになるかとも思いますが、ビジネス文書などで見たこともない漢字で書かれていると、実際に困ってしまう場面もありますね。

 上司が漢字好きだったりすれば自然部下も漢字に強くないと大変かも知れません。

今回は、よく使う言葉なのに意外に漢字を知らないことばを二つご紹介します。

ちょっと

 「ちょっと」と言う言葉は、会話でも筆記でも非常に多く使われる言葉です。

多くの人が「ちょっと」には漢字はないと思っているかも知れませんが、年配の方などが手紙を書く際には、漢字で書かれる方は多いように思います。

確かにかしこまって相手にお便りを書くという時などには、「ちょっと」だと何か会話っぽくて失礼かなと思って、漢字を使ってみたくなるというのもわかる気がします。

「ちょっと」は漢字で書くと「一寸」になります。また「鳥渡」という書き方もあります。

「一寸」というと皆さんが思い出されるのは「一寸法師(いっすんぼうし)」ではないかと思います。

「一寸法師」はご存じの通り日本の有名なおとぎ話ですが、この「一寸」は昔の長さの単である尺貫法(しゃっかんほう)の中の「寸(すん)」から来ています。

「一寸」は約3.03cmですが、短い長さと表すときにも使われます。

たとえば「一寸先は闇(やみ)」(すぐ先の事でも何があるかわからない)などということわざもありますね。

「ちょっと」という読み方も、「ちょっと」が「わずか」という事を表す言葉であることから、こう読まれるのだと思われます。

「ちょっと」と言う言葉は、もともとは「ちと」と言う言葉でしたが、それが「ちっと」となり、現在の「ちょっと」へと変わりました。

よく時代劇でお公家さんが「ちと物を尋ねるが」などと言っているのは見たことがあるのではないかと思います。

しっかり

「しっかり」は「ちょっと」と並んで非常によく使われる言葉です。

「しっかり」はかたくて強い様子や確かであることを表す言葉ですが、これも普通は漢字では書きません。

しっかり」を漢字で書くと「確り」となります。

普通の文章で見かけることはほとんどありませんが、証券取引の株式市況を表す言葉として「小確り(こじっかり)」と言う言葉があり、そういう場面では使われています。

「小確り」は相場が下落する心配が少なく、少し上がり調子も見られるようなときに使われるようです。

だから金融関係にお勤めの方だと、上司から「明日の資料を確り準備」というようなメモを渡されることもあるかもしれませんね。

このように、私たちがよく知っていてひらがなで頻繁に使われる言葉にも漢字があったりします。

日本語は本当に奥が深くて面白いですね。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA