【科学的思考】天気予報はなぜよく外れるの?どうして毎年「過去最大級」の気象予測ばかり出るの?

興味を持てる天気の学習

 中学校では、2年生の単元で天気(気象)の学習をしますが、興味を持って学習する生徒が多い単元だと思います。

 これは普段天気予報というものに日常的に触れているため、学習に実感を持って取り組むことができるということが大きいと思います。

こういう日常に関連のある学習は、先生の授業展開の仕方にもよりますが、生徒は意欲的になるのが普通です。

天気図も見た目専門的な感じがあるので、それもポイントになって、学習開始時には人気の単元です。

 もちろん学習してみたら、嫌いになるという事もあったりはしますが…

 今回はそんな天気(気象)の学習についてのお話です。

外れる天気予報

 天気予報というと「だいたい当たるけど外れる時もある」というイメージを持っている人もいるかも知れません。

スマホに向かって「今日雨振るって言ったじゃないの」と傘を持って怒る前に、どうして天気予報ができるのか、それを考えて見ましょう。

 日本付近の上空には偏西風が吹いています。

 大気の層は地上に近いところから順に「対流圏」「対流圏界面(境目)」「成層圏」と続きますが、偏西風は対流圏の下層で吹く西から東へ向かう風です。

この風の影響で、日本付近の天気はおおむね西から東へ順に移り変わっていきます。

天気図を見るとその動きが良くわかります。

 更に対流圏上層部の対流圏界面(成層圏との境目)付近ではジェット気流と呼ばれる強い風(偏西風の一種)が吹いています。

 ジェット気流は時速100kmに達する速さになる場合もあります。西から東へ飛行機が向かう場合にこれを利用することでも有名です。

 第二次世界大戦時には、日本がアメリカを爆撃するためにジェット気流を利用した風船爆弾を考えたという話も残っています。

 また、これらの風の蛇行により高気圧や低気圧も生み出されていますが、その蛇行が大きくなったりすることで異常気象も発生することがあるようです。

 こういった理由で日本付近では天気の変動が起こるわけですから、西から東への天気の動きというものも、簡単に言うと風次第・気圧の動き次第という要素が大きいのです。

だから正確に必ず的中するということは元々難しいということになります。考慮すべき要因が多すぎるからと言っても良いでしょう。

 天気予報士の方には悪いですが、いずれ近い将来には、AIがすべての要素を一瞬で判断してもっと正確な予報をしてくれるようになるのではないかと思います。

天気図の勉強をすれば気づくこと

 中2で学習するこういう天気の動きの勉強は上記ほど詳しくはありませんが、何日間かの天気図を見比べて、「この高気圧が次の日にはここに来て」といったような学習をするので、生徒は天気予報の仕組みを知ることになります。

 でも例年どこの学校でも年度末のため、この天気図と天気予報の所はさっと通ってしまう学校が多く、学校によっては3年に持ち越しをすることも結構あります。

 なので天気図の勉強が天気予報と関係していることにすら、気づかずに終わってしまう生徒が実はたくさんいます。

でも天気図を見て天気の動きを一度も見れば、天気予報をするということは簡単ではないこともすぐわかるのです。

 私たちが身近に見たり聞いたりしている天気予報と直接関係のある勉強ですので、ワクワクしながら学んでほしいものです。

気象兵器の話

 最近巷で気象兵器の話をよく耳にします。耳にすると言っても、もちろんネット上での話ですので、SNSや動画サイトをご覧にならない方だと「なんだその都市伝説」とか「笑ってしまう陰謀論」という話になるでしょう。

ただ、気候を人工的に変えるという計画は、既に科学の世界では、普通に研究がされています。気象を改変するという科学はすでに相当進んでいます。

人工降雨(クラウドシーディング)は、すでにベトナム戦争の時代から行われており、最近では、日本の20分の1しか雨が降らないアラブ首長国連邦で、人工降雨のため大雨や洪水被害が出たという話が有名です。

また中国では、国策としてクラウドシーディングを2025年までに、全国土の半分以上の地域で行う事を発表しています。

もちろんこれは農業生産や自然災害防止のためのものですが、ヨウ化銀などの化学物資を空から撒く方法が、果たして人体に影響がないのかどうかは、風下にあるわが国ではとても気になる所です。

 そんな状況の上に、オリンピックがある毎に台風が3つも4つも並んでやって来ている事(東京オリンピックの際に実際にありました。天気図を見てびっくりしたものです)や、

いつもと違い日本列島を南から北へきれいに台風が横切って行ったりするのを見れば、「これは気象兵器の仕業だ」という主張が出てきてもおかしくはありません。

そういう可能性を知っての事かと思いますが、すでに1977年には環境改変兵器禁止条約というものができています。

もちろん本稿でお伝えしたいのは、気象兵器の真偽などではなく、そもそも天気を予測するのは不確定要素が多くて、当たらない事は多いと言う事実です。

「最近天気予報当たらないな」という呟きは、実は30年前、40年前でもよくされていたのです。実際には、的中の精度は昔よりもずっと上がっているようです。

なぜ毎年「過去最大級」や「過去に経験した事のない~」気象予測がされるのか?

 もっとも最近の天気予報は、当たらないという問題より、マスメディアが「大げさ」「必要以上に怖さを誇張する」ということが明らかに多くなりました。

 気象庁の発表も最近は何かとても扇動的な表現を用いることが増え、「過去最大級」とか「過去に経験した事のない~」というような気象予測をして、必要以上に危険を誇張しているように感じます。

このことについては詳しく指摘をしている方が動画チャンネルなどでいますので、興味のある方は検索してみるといいかも知れません。報道で危険を煽るような特定のデータを選別して示していることもあるようです。

 社会全体の傾向として「安全」「安心」を強調するあまり、逆に色々な問題が起こっている昨今ですが、メディアの言い分は「万が一を防止するため」だからそういう表現をとることが大切というのでしょう。

しかし実際には「データを選別的に取り出し誇張する」という報道の仕方が、年々ひどくなっているので、見る人は注意が必要かもしれません。

 まあ暴風雨の際に釣りに行ったりする人もいないと思いますが、「過去最大級の台風」のはずなのに、それを刻々と迫ってくる様子を伝えるニュースが、実際は全然大した雨も降っていない状況で伝えられていて、あとは過去の台風の被害動画を流し続けるというような報道もあります。

これでは「ひょっとして怖がらせるためにやっているのか」と感じてしまいます。

私たちにとって必要なのは、「過不足なく危険を察知する」ということであると思います。

あくまでメディアの情報は「事実に基づくデータ」のみをしっかり自分で確認した上で受け取ることをお勧めします。

天気に関する事以外にもメディアの情報は、いまや「話半分」くらいに聞いておかないと、結構危険な時代になりました。

そんな中でも、私たちはしっかりとしたリテラシーをもって、自分に必要な情報を取捨選択して、賢く安全な生活をしていきたものです。

今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

むしろそちらの方に惑わせられないようにした方がいいかも知れませんね。

 今後も皆さんのお役に立つ情報をアップしていきます。

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